HOME9.中国&アジア |中国広東省江門市 市民の反発で 核燃料工場計画を中止 「フクシマのようになるな!」とシュプレヒコール(各紙) |

中国広東省江門市 市民の反発で 核燃料工場計画を中止 「フクシマのようになるな!」とシュプレヒコール(各紙)

2013-07-13 14:06:48

旗や横断幕を連ねて核燃料工場建設反対の抗議デモを展開する中国人民
旗や横断幕を連ねて核燃料工場建設反対の抗議デモを展開する中国人民
旗や横断幕を連ねて核燃料工場建設反対の抗議デモを展開する中国人民


新華社電(電子版)等によると、中国広東省江門市共産党委員会などは13日、同市で計画されていた核燃料工場建設を中止すると明らかにした。同市では12日、計画撤回を求める2000人規模の大きなデモがあった。

中国紙によると、この施設は江門市鶴山に建設予定で、総事業費約370億元(約5980億円)。ウラン濃縮などを行い、広東省などにある原発に供給する核燃料を生産、2017年の操業を目指していた。

鶴山地区の当局は今月4日、建設計画の詳細を公表した。住民の意見聴取期間を10日間設けたが、住民側は「闇討ちだ」「期間が短い」などと猛反発していた。複数の住民によると、建設予定地では計画発表前から、当局者が理由を説明せずに、多額の金銭と引き換えに立ち退き同意書への署名を求めていたという。

 

市民らは十分な説明がないまま建設が決まったことに強く反発。今回のデモにつながったが、14日にもデモが計画されるなど、反対の動きが広がっていた。デモ隊は市政府庁舎前の道路に陣取り、「核汚染反対」「GDP(国内総生産)より命が大事だ」などとシュプレヒコールを上げた。デモ隊は、庁舎前にバリケードを築いた警官隊と数時間にらみ合ったが、大きな衝突は起きなかった

 

中国で反核デモが起きるのは異例。環境や健康への住民意識が高まっていることに加え、福島第一原発事故で原子力施設への不安感が増していることも背景にあるとみられる。