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福島原発事故受けた米規制改革、NRC委員の間に異論も(Reuters)

2011-07-21 11:28:34

【ロックビル(米メリーランド州)19日ロイター時事】米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は、迅速で広範な原発業界規制改革を行いたいと考えているが、NRCの残りの4人の委員は19日、まず同業界と一般国民から意見を聞きたいと述べ、委員会内の見解の相違が明らかになった。

 これは、同委員長が5年以内に規制改革を行うという野心的な計画をめぐり、苦戦を強いられる可能性があることを意味している。

 ヤツコ委員長は福島第1原発の事故を受けた規制改革について90日以内に業界に明確な方向性を示し、5年以内にそれを実行したいと考えている。

 福島第1原発の事故を受けて設立された特別委員会(いわゆるフクシマ・タスクフォース)は、NRCの規制について長期的変更を勧告したが、米国にある104基の原子炉については安全に関する差し迫った脅威はないと報告した。規制改革はNRCの安全体制に変更を迫り、設計当初よりもずっと大きな災害の想定を求める見通しだ。

 ヤツコ委員長は、この体制変更がそれほど大げさなものではないと示そうとしている。同委員長は福島第1原発と似た構造の原子炉には既に強化ベントが使用されているほか、長時間の電源喪失に関する規制を既に設けていると指摘し、「この改革が規制の構造全体の大幅な変更になるとは考えていない」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011072000307