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急拡大する中国の再生可能エネルギー発電市場 ゴビ砂漠に200万MWの超メガソーラー建設、風力発電はさらに3倍増へ(RIEF)

2015-08-07 01:46:46

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  中国が再生可能エネルギー発電の導入を急拡大している。ゴビ砂漠では集中型太陽熱発電(CSP)型の200MWの超メガソーラーの建設が進んでいるほか、風力発電は太陽光発電の3倍以上の広がりをみせている。

 中国で再エネ発電事業への投資が急拡大しているのは、中国政府が2020年以降の温室効果ガスの排出目標として、2030年時点でCO2排出量をピークアウトさせる目標を打ち出していることが大きい。目標達成のため、2030年までに、一次エネルギー消費に占める非化石燃料(エネルギー)の割合を20%に増やす国家目標を立てている。

 

 このうち太陽光発電では、2020年までに100GWの発電量を確保しようとしている。ゴビ砂漠のある青海省で建設中の超メガソーラーは、2550haの広大な平地に、無数に配列された可動式の鏡で太陽光を集めてタービン発電機を回す蒸気を生み出す方式の発電所の建設が進んでいる。これに蓄電設備などを併用すると、夜間の発電にも対応できる。

 

 青海省で建設中のシステムは、100万世帯分の電力を供給でき、CO2排出量を89万6000㌧削減可能という。同システムは、宇宙からの衛星画像でもくっきりと映し出される。完成すると中国最大のメガソーラーとなる。

 

 風力発電は中国では、太陽光よりも先行して開発が進んでいる。これまでの風力による累積発電量は115.6GWで、今後、2025年には3倍増の347.2GWに拡大する見込みだ。

 

 欧米や日本でも、風力発電は陸上の風車より、洋上風車が増加しているが、中国の場合、2025年の推計でも、96%は陸上の風車が見込まれている。洋上風車は4%の12.4GWに過ぎない。中国内陸部で安定的な偏西風を得ることができることと、東シナ海、南シナ海等の洋上では、発電に必要な風力の安定確保が難しいといった事情もある。

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  中国の最大の課題は、再生可能エネルギー発電の急増によって、接続する電力網のキャパシティ不足が露呈している点だ。蓄電設備を併設するとはいえ、太陽光も、風力も、発電量が時々刻々と変動することから、電力網(グリッド)側の能力増強が求められる。

 

 実際に中国政府は電力網の増強を急いでいる。それでも、風力発電の発電容量の増強は、年間20GWあるいは22GWのレベルにとどめざるを得ない状況が続くとみられている。それでも、再エネ発電、電力網増強、蓄電設備等の新規需要は大きく、米欧の企業の参入も活発だ。日本企業の出遅れが目立つほどだという。

 

http://www.powerengineeringint.com/articles/2015/08/china-begins-work-on-its-largest-solar-power-plant.html