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電気料金の原発上乗せ分、請求書などに記載要求 政府有識者会合(東京新聞)

2016-07-09 16:44:41

tepcoキャプチャ

 

 東京電力ホールディングスを除く大手電力九社が、主に原発の維持促進に充てられる「電源開発促進税」について、電気料金にどれだけ上乗せしているかを請求書や検針票に載せていないことが分かった。消費者庁が調べた。政府の有識者会合は八日、記載を求める報告書案をまとめた。

 

 消費者庁のまとめでは、東電の小売り部門である「東京電力エナジーパートナー」は五月配布分(四月の電気料金)の検針票から載せ始めた。裏面の左下に、使用電力一キロワット時につき〇・三七五円の電源開発促進税を上乗せしていると記載した。

 

 しかし中部電力などほかの九社は、ホームページで開示している社はあるものの、検針票や請求書には記載がないという。記載の義務がないためだ。

 

 実質的な納税者である消費者は原発の開発や維持のために自分がどのぐらい負担するかをすぐに知ることができない。経済産業省は再生可能エネルギーの普及に充てる「賦課金」については明記することが望ましいと電力会社に指導、各社とも明記しており、対照的。本紙(東京新聞)は税収の不透明な使途や情報開示の不備を指摘してきた。

 

 内閣府の第三者機関である消費者委員会も五月、消費者の利益を守るため、電気料金をめぐる課題と改善策を検討する調査会を設置した。

 

 報告書案では電源開発促進税について、電力の小売り会社に「検針票など消費者に分かりやすい形で情報を提供するべきだ」と指摘。電力会社を所管する経産省に対しても「情報提供の状況について調査するべきだ」と求めた。正式な報告書は十五日にまとめ、首相に提出する。

 

<電源開発促進税>

国が各地域の送電線を管理する大手電力10社に課税するが、最終的には消費者の電気料金に上乗せされている。税率は1000キロワット時当たり375円(1キロワット時当たり0・375円)で、毎年度の税収は3300億円前後。原発のある自治体への交付金など大半が原発の維持促進に充てられる。一部が経済産業省と文部科学省の天下り団体に流れるなど不透明な支出も多い。民主党政権時の2011年に関連する特別会計の存廃を含め抜本見直しが求められたが、政権が交代してうやむやになった。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201607/CK2016070902000140.html