HOME |コスタリカ新大統領のアルバラド氏、再エネほぼ100%に続いて、輸送部門の100%クリーン化目指す。「1948年の軍隊廃止宣言と並ぶ、化石燃料からの独立」を提唱(RIEF) |

コスタリカ新大統領のアルバラド氏、再エネほぼ100%に続いて、輸送部門の100%クリーン化目指す。「1948年の軍隊廃止宣言と並ぶ、化石燃料からの独立」を提唱(RIEF)

2018-04-13 21:52:52

costaricaキャプチャ

 

 中米コスタリカで今月初めの大統領選決選投票で勝利し、新大統領になることが決まったカルロス・アルバラド氏(38)は、国内の輸送部門をクリーン化する「ガソリンやディーゼル依存の輸送体制からの独立」を宣言した。同国はすでに電力はほぼ100%の再エネ転換を実現している。自動車や列車などの輸送部門を100%クリーン化することで、世界で最もクリーンな国になる。

 

 (写真は、選挙運動中に支持者と自撮り撮影をするアルバラド氏)

 

 アルバラド氏は、中道左派与党の市民行動党で元労働・社会保険相等を務めた経験を持つ。選挙の最大の争点は同性婚の是非で、是認派のアルバラド氏が支持を得て当選した。新大統領の任期は4年で、5月8日に就任する。中米でもっとも若い大統領となる。

 

 同氏は当選確定後、支持者に対し、「ガソリンやディーゼル依存の輸送体制からクリーンエネルギー輸送への転換は、我が国が1948年に国の軍隊を廃止したことに匹敵する『現代の軍隊廃止』だ」と強調した。

 

Costarica2キャプチャ

 

 というのも、コスタリカの現在のCO2排出量の54%は、古いディーゼル列車等の輸送機関が原因という。同国の鉄道は、クリーンエネルギーや環境に優しい国づくりを楽しむ海外からのエコツーリズムの広がりで、利用が進み、CO2排出増を招いてきた。再エネ推進等のエコの普及が、エコツーリズムの増加でCO2増につながるというパラドクスが起きているのだ。

 

 このため同氏は選挙期間中、古いディーゼル列車の近代化・電化を約束するとともに、自動車についてもガソリン車やディーゼル車からの転換、政府保有の石油精製所を水素エネルギーやバイオ燃料に切り替える研究開発の促進、石油やガスの国内での採掘禁止の法規制などを公約していた。

 

 同国の政府収入の5分の1は、これらの石油・ガス、ディーゼル関連事業への課税で占められている。同国の経済学者のMonica Araya氏は、「新政府は電気自動車(EV)普及のため、政府機関でのEV購入を進めると同時に、その輪に市民を巻き込んでいく必要がある」と指摘している。

 

 すでに自動車のクリーン化については、昨年中に、EV購入を促進するために、EVの自動車税の引き下げ、充電ステーションの建設、公的機関のEV利用を進める「石油フリー自動車(fleets oil-free)」の推進などを打ち出している。

 

 世界の40代以下の政治リーダーでエネルギーのクリーン化を積極的に宣言したのは、フランスのマクロン大統領、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相らに次ぐ。「次の世代のために」というよりも、「自分たちの世代のために」社会を変えていこうとする若手政治家が、確実に増えてきたようだ。http://rief-jp.org/ct4/74252?ctid=0

 

https://costarica.org/facts/government/