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原発製造メーカーの責任論議、高まる(FGW)

2011-03-29 18:04:49

東電福島第一原子力発電所の事故復旧が難航している中で、原発製造メーカーの責任論議が高まっている。原発事故による損害救済の法制度として、事業者の責任を定めた原子力損害賠償法があるが、それとは別に、今回の事故を起こした原発が“欠陥製品”ではないかとの指摘が出ている。

第一電子力発電所の原発は、1、2号機が米GE社製で、3号機、4号機はそれぞれGEのライセンス契約で東芝、日立製作所が製造、メインテナンスを担ってきた。同原発については、35年前に当時のGEの社員(デール・ブライデンボー氏ら)が、安全性に問題があるとして抗議し、受け入れられなかったため辞職した経緯が報道されている。製品に欠陥があった場合、製造物責任法(PL)では製造業者だけでなく、輸入業者にも損害賠償の責任を認めている。多様な製品を世界中で製造・販売しているGEは、各地でPL訴訟を提起されている。

だが、同法は原則として消費者の保護が目的で、GEと東電のような原発取引などの場合は、PL法よりも、、民法の対象になるとみられる。その場合、原発の欠陥・不具合を知り得る立場にあったGEが、それを東電に知らせずに販売した場合に契約責任の論議が生じるほか、多くの市民や事業者が今回の事故によって損害を被ったことを前提にすると不法行為責任の論議も生じる。ただ、同原発は30~40年と言われる運用年数を超えて稼働しており、東電と製造メーカーの間の保証契約が終わっているとみられる点も、責任論議に影響を与えそうだ。東電は2005年に勝又恒久社長(当時、現会長)時代に、運用年数を60年に延長している。