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アフリカ初の廃棄物発電所、エチオピアの首都アディスアベバで完成。日量1400㌧のゴミを処理し、電力に転換。英、中、デンマークなどが事業協力(RIEF)

2018-08-27 15:25:46

 

  エチオピアの首都アディスアベバに、廃棄物を原料とする発電所が完成した。廃棄物発電所の建設はアフリカで初めてという。「Reppie」と名づけられた発電所の隣接地のゴミ集積地では、昨年、ゴミの山が崩壊し、110人以上が死亡するという事故が起きていた。やっかいなゴミを有益な電力に転換する道が拓けたことになる。

 

 エチオピアのムラトゥ・テショメ(Mulatu Teshome)大統領は廃棄物発電所の完成式で、「これまで水力、地熱、風力発電に大規模投資を行ってきた。だが、これからはバイオマスがクリーンな再生エネルギーを供給し、製造部門を後押しする」と語った。

 

 Rappieは2014年に着工され、建設費は約1億1800万㌦(約131億円)。エチオピア電力会社(EEP)によって運営され、日量1400トンの廃棄物を処理し、電力を生み出す。アディスアベバから排出されるゴミの80%を処理可能という。ゴミを焼却する際に出る熱で蒸気を作り、その蒸気でタービンを回す方式だ。発電能力は1日25MWに達する。

 

 Rappies7キャプチャ

 

 発電所は、「コシェ(Koshe)」と呼ばれる巨大ゴミ集積所の横に造られている。コシェは40年以上前からアディスアベバの主要なゴミ集積場となっており、昨年の悲惨な事故につながった。事故について、コシェでゴミをあさっていた人たちは、隣接地でRappiの建設を始めたことが崩落の原因だと非難している。首都のアディスアベバは急速に人口が増えており、400万人以上が暮らしている。

 

 エチオピアではナイル川周辺での水力発電が主流だが、乾季には発電量が低下する。廃棄物発電は季節を問わず発電が可能で、安定的な電力供給に資する。また、Reppieの完成で、効率が悪くCO2排出量の多いディーゼル発電機等を閉鎖することが可能になるという。

 

 Reppie2キャプチャ

 

 Reppieの建設は英国のCambridge Industrieと、中国の中国電力工程有限公司(CNEEC)がEEPの依頼で推進してきた。EEPにはデンマークのエンジニアリング企業のRambollがアドバイザーとして参画した。

http://www.africawte.com/

http://cambridge-industries.com/