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広島・尾道の「トロムソ」社、もみ殻を固定燃料に転換設備を、アフリカ・ナイジェリアに大量輸出。自然林過剰伐採を防ぎ、廃棄物抑制、CO2フリーの燃料として(各紙 )

2019-02-20 14:35:09

tromso1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、もみ殻を固形燃料に転換する設備を開発する広島・尾道市の トロムソ社は、アフリカのナイジェリアに、同社開発の装置を13台、今年中にも輸出する。エネルギー需要が高まるアフリカで、精米の副産物であるもみ殻を燃料として活用することで、自然林過剰伐採による薪炭利用の抑制と、廃棄物削減を通じた環境保全にもつながる。

 

 (写真はベトナムで稼動する同社のもみ殻固定燃料機)

 

 日本経済新聞が報じた。同社は、2007年の設立で、船舶向けの熱交換器を製造するハリソン産業因島(同)創業者で元社長の橋本俊隆氏が「海から陸に上がり新しいものづくりがしたい」との思いで立ち上げたという。もみ殻をすり潰す部品には船舶用の技術を応用するなどの工夫の結果、固形燃料製造装置「グラインドミル」を開発した。

 

固形料製造装置の「グラインドミル」
固形料製造装置の「グラインドミル」

 

 同機は、もみ殻をすりつぶして、高温で圧着し、固形燃料「モミガライト」にする。120kgのもみ殻を1時間で処理でき、大きさは約10分の1に圧縮する。発熱量は1kg当たり当たり000㌔㌍で、薪炭と同水準の熱量が得られる。また原料はもみ殻なので、燃やしても大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SOx)や温暖化要因の二酸化炭素(CO2)は出ない。燃焼後の灰は二酸化ケイ素が主成分で土壌改良剤として活用できる。

 

 これまでも2012年に国際協力機構(JICA)との協力で、タンザニアの市場調査を実施し、同国で「モミガライト』を販売した実績がある。また、マダガスカルやベトナムにも、装置を輸出してきた。輸出先の途上国で、装置の組み立てや運営のノウハウを伝えるために、現地のエンジニアを日本に招いて製造技術を伝える研修も実施してきた。土台などの部品を現地生産・調達することでコストを削減、国内では1台600万円になる設備を、現地では半分以下に抑える工夫もしている。

 

 ナイジェリアへは15年に一度輸出している。今回の大量発注は、その装置が同国政府の閣僚の目に留まり、全国13カ所での採用が決まったという。これまで約7年間にタンザニア等の途上国に輸出した総数は16台だったので、今回は大型契約といえる。ナイジェリアは経済発展が進み、人口も多いことから、今後さらに需要が高まると期待されている。

https://tromso.co.jp/

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO41475280Z10C19A2LC0000?type=my#AAAUAgAAMA