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豊田通商、アフリカ・ケニアで無電化地域でのミニグリッド事業を展開する米ベンチャー企業に出資。「事業活動を通じたCSR」を実践(RIEF)

2019-07-05 17:25:26

toyotatusho1キャプチャ

 

  豊田通商は、アフリカのケニアでコミュニティ向けの電力供給事業を展開する米国のスタートアップ企業「パワーハイヴィング(パワーハイヴ)」社に出資した。同社のミニグリッド事業を支援するとともに、豊田通商も、ケニアを中心としたアフリカの無電化地域でのミニグリッド事業を今後、展開すると発表した。

 

 (写真は、ケニアに設置されたパワーハイヴ社の太陽光発電設備)

 

 アフリカの無電化地域での再エネ発電による日本からの支援では、先に福井県の市民団体がタンザニアに市民共同発電所を建設するとの動きを伝えた。http://rief-jp.org/ct7/91320 今回の豊田通商の取り組みは「事業活動を通じたCSR」としての位置づけになる。

 

 豊田通商が出資したパワーハイヴは、ケニアで民間企業として初めて売電ライセンスを取得している。同社は太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせた地域循環的なミニグリッドを構築、無電化地域の住宅や事業者へ電力を供給する事業を展開している。

 

パワーハイヴ社のミニグリッド設備
パワーハイヴ社のミニグリッド設備

 

 太陽光発電やミニグリッド等の設備はパワーハイヴの保有資産のため、地域の電力利用者は電気料金をモバイル決済で支払うだけでいい。また同社は、地域の事業者等が電力を活用して事業を興せるように、小規模金融プログラムも提供している。養鶏場経営者が孵卵器を導入して事業を拡大したり、農家が灌漑用のポンプを導入したり、一般住民の電気コンロの購入等にも利用できる。

 

グリッドの敷設は日本と同じく電柱利用
グリッドの敷設は日本と同じく電柱利用

 

 豊田通商はこうした同社の事業展開の社会的影響力の重要性とビジネス展開を評価し、第三者割当増資を引き受けた。出資比率は約10%になるという。豊田通商はアフリカに強いネットワークを保有することから、今回のケニアでの事業協力を、今後、アフリカの無電化地域全体に展開できるよう、検討していくとしている。

 

 豊田通商は、1922年に東部アフリカで綿花の輸入事業を開始して以来、アフリカでの事業展開を深めている。1964年には自動車輸出業を開始、これまで90年以上のアフリカ事業の歴史がある。2000年代以降は電力需要の急増に対応し、エジプトで発電所向け機器の納入をしたほか、インフラビジネスの投資活動にも力を入れ、ケニアでは2011年に同国最大規模の地熱発電プロジェクトを受注している。

 

 また、2014年にアフリカで日本企業初となる社会貢献型ベンチャー育成基金Toyota Tsusho CSV Africa Pte. Ltd.をモーリシャスに、人材育成センターToyota Kenya Academyをケニアに設立した。

https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/190705_004421.html

http://www.powerhive.com/