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自動車修理工場が設立した電気自動車開発の「EVジャパン」社、車部品の再利用で低コストの小型水力発電装置開発。9月から全国で販売(各紙)

2019-08-28 13:32:16

EVジャパンキャプチャ

 

 各紙の報道によると、電気自動車等を開発するEVジャパン(大阪府豊中市)は、自動車用の発電機やバッテリーを再利用した小型水力発電装置を開発、9月から販売を始める。車部品の再利用により装置価格は発電容量5kWで100万円程度と低価格になる。

 

 日刊工業新聞が報じた。同社では、奈良県五條市で開発を進めてきた水車と発電機で構成した実証用装置が今週中に完成することから、同設備をモデルとして、山間部などの独立・非常用電源として地方自治体や電力会社に提案していくとしている。

 

 同社では、数年前から自動車整備の過程で回収した発電機やバッテリーを使った水力発電装置を開発してきた。2017年には京都府福知山市でも小型装置を設置した経験がある。

 

 近く完成する五條市の水力発電設備は、大塔支所近くの河川に発電容量1,5kWと0.6kWの水力発電装置2基を設置したもの。発電した電力はバッテリーに充電して、地域の観光施設用の電源などに利用する予定だ。非常時はバッテリーを移動させて非常用電源にも利用できるという。

 

 同社では今回の実証結果をもとにして、全国の山間部などの河川や水路を活用した独立電源として、地方自治体や電力会社などに提案する。製品化する装置の発電容量は1.6kWから10.0kWを想定している。

 

 EVジャパンは自動車整備工場を経営する4社が共同で出資して設立された。エンジン車、ゴルフカートなどをベースとする電気自動車(EV)や電動トラクター、自社開発のEVバスなどを製造・販売している。

 

  今回活用する自動車部品はEV車のものではないが、山間部などで安価な再生可能な水力発電設備が普及することで、自社が展開するEV車の導入促進にもつながると判断している。

 

 国内の自動車整備工場は将来、EVやシェアリングサービスが広がると、これまでのようなエンジン車の整備や修理需要が減少する可能性が指摘されている。こうした市場環境の変化に対して、同社では、特殊なEVや今回のように、再エネ発電設備の開発・販売・整備といった新市場の開拓を目指すとしている。

https://ev-jpn.com/

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00528953?isReadConfirmed=true