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福島・浪江町で建設中の太陽光発電電力活用の水素製造プラント水素製造(PtG)、今月末に完成。燃料電池車等に供給するほか、東京オリンピック・パラリンピックにも供給(各紙)

2020-02-06 13:34:40

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  各紙の報道によると、福島県浪江町で建設を進めている太陽光発電を活用した水素製造のプロジェクトが今月末に完成する。世界最大規模の水素発生施設の「パワー・ツー・ガス(PtG)」を設置、最大1時間当たり2000㎥の高効率の水素を製造する。実証段階に移行して製造した水素は、福島県内で燃料電池車(FCV)等に供給するほか、東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、東京の水素ステーションにも供給する。

 

 日刊工業新聞が伝えた。事業は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を中心に、東芝エネルギーシステムズ(川崎市)、岩谷産業、東北電力グループ事業実施者とする福島水素エネルギー研究フィールド(福島県浪江町)が取り組んできた。今月末の完成後、試験運転を経て7月からの実証運転を予定している。

 

 同施設の目玉は、世界最大規模のPtGプラントだ。電力需給と水素需要予測に基づいたエネルギー運用システムを導入しており、太陽光発電の電気を安定的に活用して水素製造の実証化を図る。2万kWの発電容量を持つ太陽光発電設備を設置し、その電力のうち、1万kW分を利用して水素を製造する。水素製造には、旭化成製の世界最大のアルカリ水電解装置1スタックを使う。製造した水素は敷地内で貯蔵、高圧にして岩谷産業がトレーラーで輸送する。

 

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 使用する電力は自前の再エネ電気のほか、東北電力の系統からも需給のバランス調整(デマンドレスポンス)のために導入して安定化させる。PtGプラントには電気を1500kWから1万kWで入力。定格で1200㎥、最大1時間当たり2000㎥の水素を製造する計画だ。

 

 水素エネルギー運用システム全体は東芝エネルギーシステムズが中心となって開発した。電力系統側の制御システムと、水素需要予測システムにより電力需給バランスを調整し、水素需要を予測して入力電力と水素製造を調整する。

 

 太陽光発電の電力と系統電力を組み合わせるのは、水素製造の最適化・高効率化を実現するためとしている。変動する太陽光発電電力を最大限利用する一方で、太陽光発電が少ない状況下でも、系統電力をリアルタイムで制御して補完することで、最適な利用の実現を目指すという。

 

 NEDO等では、今回の実証モデルと同規模のPtGを1モジュールとして、再エネの普及と水素の需給に応じて、全国展開していく方針だ。2030年メドに10万kWの規模の普及を目指すとしている。

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00547080?isReadConfirmed=true

https://www.town.namie.fukushima.jp/uploaded/attachment/9142.pdf