HOME11.CSR |日産自動車も医療用フェースシールド国内生産へ。全日空は一時帰休中のスタッフが医療用ガウンの製造へ。主要企業のCSR活動広がる(RIEF) |

日産自動車も医療用フェースシールド国内生産へ。全日空は一時帰休中のスタッフが医療用ガウンの製造へ。主要企業のCSR活動広がる(RIEF)

2020-04-17 12:10:10

nissan1キャプチャ

 

 主要企業の新型コロナウイルス感染防止への社会的取り組みが広がってきた。日産自動車は国内工場で医療用フェイスシールド(防護マスク)の製造を開始すると発表。月産2500個を目標とする。人工呼吸器や人工心肺装置の製造メーカーへの支援も検討するとしている。全日空は、不足する医療用ガウンの縫製を始める。一時帰休中のグループ社員らが製造に取り組むという。

 

 (写真は、日産が製造する医療用フェースシールド)

 

 自動車会社では、トヨタ自動車が医療用フェースシールドの製造に乗り出している。日産も同様に医療現場で不足しているフェースシールドを、同社の各事業所が保有する3Dプリンターで製造する。まず、テクニカルセンター、総合研究所、横浜工場で、月約2500個分を製造する。https://rief-jp.org/ct4/101149

 

 人口呼吸器や人工心肺装置の製造メーカーへの支援については、政府からの要請を受けて、自動車メーカーの増産ノウハウを提供する。医療用機器製造を進めるための工程改善の提案、増産場所や人材の提供、不足部品の供給等を提案するとしている。

 

 日産はすでに海外でも同様の支援活動を展開している。米国でも3Dプリンターを活用したフェイスシールドを生産、ミシガン、ミシシッピ、テネシー各州の医療施設に寄付している。英国では、サンダーランド工場の従業員がボランティアで医療用フェイスシールド生産を支援。スペインでは、現地の病院や企業等と連携し、人工呼吸器の製造を始めている。

 

医療用ガウンの製造拠点となるANAの訓練所
医療用ガウンの製造拠点となるANAの総合訓練施設

 

 一方、全日空(ANA)も16日、医療現場で不足している医療用ガウンの縫製支援に着手すると発表した。コロナウイルス感染の拡大で航空便を大幅に減らしていることから、一時帰休対象となったグループ社員らが製造にあたる。縫製には、ガウン製作会社が指導し、4月末から当面の間続ける予定としている。

 

 ガウン製作に参加するのは一時帰休対象者と、公有休取得のスタッフ。1日あたり最大30人が、ガウン製造会社のヴァレイ(奈良・上牧町)の協力を得て、羽田空港近隣のANAグループの総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB)」で作業する。作業はボランティアで、勤務時間にはならないという。

 

 製作するのは、感染症防護に利用できる医療用アイソレーションガウン。手術以外の施術や簡易的な処置、面会者・患者用に使える。こちらも政府の支援要請を受けたものとしている。ANAでは国際線の9割が運休。4月1日から客室乗務員の8割に当たる約6400人の一時帰休が始まり、現在は間接部門やグループ会社の地上係員なども対象になり、約2万人が一時帰休になる。

 

 ただ、朝日新聞等の報道によると、当初、縫製作業に客室乗務員(CA)が名指しされたことから、女性は縫製が得意といった発想だとし、「戦前」「時代錯誤」との批判がSNSで出ている、と紹介されている。防護服の製造には、不織布を型どりして縫製する工程が必要で、縫い目から不純物が入らないようにするための特殊な技術が必要、との東レのコメントを指摘。その東レでは完全受注生産で中国の協力工場で製造しているものの、需要増で十分対応ができていないという。東レの社員が取り組んだほうがいいかもしれない。

 

https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/200416-02-j

https://www.aviationwire.jp/archives/200758

https://digital.asahi.com/articles/ASN493QMQN49ULFA00H.html