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LIXILグループ、途上国の新型コロナウイルス感染対策で、ペットボトルと石鹸を組み合わせた簡易手洗い器開発。製造原価2㌦。9月にインドで展開へ(RIEF)

2020-06-24 15:58:34

 

 LIXILグループは23日、新型コロナウイルス感染拡大で、水道施設が不十分な途上国等の家庭での手洗い課題を克服するため、ペットボトルと石鹸で常時手洗いができる途上国向け手洗い器を開発したと発表した。製造原価は2㌦で、まず9月までに。コロナ感染拡大が続くインドで生産・発売する。2021年初旬までに他国にも展開する。CSRの手応えと新規市場獲得の両面の需要を手づかみできそうだ。

 

 開発した簡易手洗い器は「SATO Tap」。同社はこれまでも途上国向けに、簡易トイレ「SATO」事業を展開している。今回の手洗い器はその事業からの派生商品ということになる。手洗い器は、プラスチックの部品二つを組み合わせ、水の入ったペットボトルを載せるだけの簡単な仕組み。シーソーのようなノズルを倒すと水が出て手洗いができる。

 

Lixil001キャプチャ

 

 ノズルは腕や肘で倒すことができ、手を触れる必要はない。また一度に出る水の量を極力抑えるよう設計されているという。製造原価は2㌦だが、流通コストも含めて販売価格は5㌦前後になる見通し。

 

 同社は100万㌦(約1億円)を拠出し、まずインドで50万台を生産する。販売に際してはユニセフ(国連児童基金)などのパートナー団体と協力して展開する。ユニセフのアソシエイト・ディレクターのケリー・アン・ナイラー氏は「手洗いは感染症対策として、最も効果的な方法の一つ。LIXIL などが官民双方のパートナーと連携して、世 界中の誰もが手洗いできる衛生環境を整備することがこれまで以上に重要になっている」とコメントしている。

 

Lixil002キャプチャ

 

 LIXIL社長兼CEOの瀬戸欣哉氏は「新型コロナウイルス感染防止に必要なのは手洗い。しかし世界では30億人が自宅で衛生的な手洗いができない環境にあり、その数は人口の40%に相当する。コロナ感染から救いたい企業なら、誰とでも組む。市場を独占しない」と述べている。

 

 先行して展開している簡易トイレの「SATO」は、現在、世界28カ国で、1800万人の衛生環境改善に貢献しているという。

https://www.lixil.com/jp/news/pdf/SATO_Tap_web_J.pdf

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