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資生堂 化粧品の原料植物を 自社生産に着手へ 2014年にも商品化(FGW)

2013-03-29 21:12:33

静岡県の掛川工場「実験棟」内に設けられた「植物栽培実験施設」
化粧品最大手の資生堂は、静岡県掛川市にある掛川工場で、化粧品などの生薬原料となる植物の自社生産に踏み切った。現在、生薬原料は外部からの調達に依存しているが、消費者の間で製品への安心・安全意識が高まっていることから、自社生産を目指すことになった。同工場での生産は実験レベルだが、早ければ2014年には自社生産植物を配合した化粧品を販売するという。

 

 化粧品の最近の消費トレンドの一つとして、ナチュラル・オーガニック志向層が広がっている。また、近年は食品偽装などの問題で、食品だけでなく、身につける消費財への安心・安全意識が日本だけでなく、世界市場で高まっている。化粧品についても原料のトレーサビリティ(追跡可能性)が求められ、かつそうした製品が市場競争力を持つ時代になりつつある。

  掛川工場では、各種ハーブなど化粧品の原料植物を効率的に生産できる密閉型の実験施設(植物工場、高さ2.6メートル、縦横3.6×4.5メートル)をすでに昨年末に設置している。同施設で、ローズマリーやカモミールなど、約10種類のハーブの実験栽培に着手した。

 また敷地内には面積176平方メートルの実験農場も確保している。4月以降、植物工場で大量生産した種苗の生育、収穫などに取り組み、自社原料の調達プロセスの確立を目指す。また自社生産だけでなく、原料植物の栽培管理・収穫を行う提携農園を確保する取り組みも、スタートさせる予定。

化粧品市場では、生産工場を持たず、外部に生産委託をする方式の異業種組や外資などが増えており、競争が激化しているが、資生堂では原料段階から自社管理を徹底し、品質にこだわった製品作りを行うことで、信頼性の向上と差別化を目指す方針という。

 

http://group.shiseido.co.jp/releimg/2146-j.pdf

静岡県の掛川工場「実験棟」内に設けられた「植物栽培実験施設」
静岡県の掛川工場「実験棟」内に設けられた「植物栽培実験施設」