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花王とP&G 「森にやさしくない企業」として 最下位グループに選出  グローバル企業のパーム油調達方針ランキング発表(Greenpeace)

2014-02-27 13:58:22

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Tigerchallenge395863_154138<失われゆく楽園とパーム油> インドネシアでは一年間で東京の約2.8倍もの森林が失われ、絶滅が危惧されるスマトラトラはおよそ400頭まで減ってしまいました。そしてその原因は、私たちの毎日の生活の中にひそんでいます。   パーム油とパルプ紙産業による森林破壊は、トラの生息地減少の最大の原因と言われています。さらに強引なパーム油農園の建設は、森と共に暮らしてき人々の穏やかな暮しを脅かしています。熱帯雨林や泥炭地*の破壊は大量の炭素を放出し、気象変動を促進させます。  

<「森にやさしい企業」ランキング>

    本日、企業に「森林破壊ゼロ」方針の導入を求める『タイガー・チャレンジ』がリニューアル。パーム油を取り扱うグローバル企業の調達方針ランキングが発表されました。今回のランキングでは、グリーンピースが調査を行った250社のパーム油を取り扱う企業の中から、グローバルマーケットで強い影響力を持つ16社が選ばれ、以下の基準に照らし三段階でランク分けさています。     Tigerchalenge95862_154136   [評価基準] 1) 「森林破壊ゼロ」方針:自社のウェブサイトなどで公式に発表しているか 2) トレーサビリティー :パーム油農園まで追跡可能か 3) 達成期限 :野心的か、目標達成の工程が明確になっているか 4) 透明性:進捗状況を公表しているか 5) 実行度:複雑なサプライチェーンを調査し図式化しているか。サプライヤーを監査し、責任ある生産者を評価しているかなど   [“森にやさしい”パーム油調達方針ランキング] ① 基準を満たしている「あと一歩で森にやさしい企業」 - ネスレ (キットカットなど) - フェレロ (ロシェなど) – ユニリーバ (パンテーンなど) - ロレアル (化粧品全般) - ケロッグ (オールブランなど)   ② 一部の基準を満たしているが「改善が必要な企業」 - モンデリーズ (オレオなど) - レキットベンキーザー (クレアラシルなど) - ゼネラルミルズ (ハーゲンダッツなど) ③ 基準を満たしていない「森にやさしくない企業」 - プロクター・アンド・ギャンブル:P&G (アリエールなど) - 花王※ (ビオレなど) - ジョンソン・エンド・ジョンソン (ジョンソンボディケアなど) - コルゲート (歯磨き粉など) - ペプシ (コーラなど) - ナイスグループ (日用品全般) - Liby (日用品全般) - Godrej (日用品全般) ・・・詳細は、英語サイトを参照   ※審査の結果、花王は上記の5つの評価基準をすべて満たしていないと判断されました。花王は持続可能なパーム油の調達をRSPO*に依存せず、「森林破壊ゼロ」宣言をし、自らのサプライチェーンから“問題のあるパーム油”を取り除くよう努めねばなりません。  

<P&G、商品に隠された“秘密”とは…>

    プロクター・アンド・ギャンブル(以下P&G)は非常に有名な日用品の大手で世界50億人の人々が製品を使用しています。日本では洗濯洗剤のアリエールなどでおなじみですが、海外では“ヘッド・アンド・ショルダーズ”というシャンプーなどのブランドでとても有名。 P&Gは花王と同様、基準を満たしていない最下位のグループ「森にやさしくない企業」にランクされました。   グリーンピース・インターナショナルの一年間にわたる調査によると、P&Gは、トラやオランウータンの生息地の破壊、泥炭地の破壊*、野焼きなどを行う非常に問題のある生産者からパーム油やパーム油由来製品を購入していることが分かりました(英語レポート)。   中でもBW Plantationsというパーム油企業の所有する、タンジュン・プティン国立公園のすぐ隣の農園では、オランウータンの死骸と虐待が目撃され警察の調査も入りました。 今回問題が特に指摘されたのは、①BW Plantations、②Kuala Lumpur Kepong Berhad (KLK) 、③Musim Masというパーム油企業です。下記の図はP&Gのパーム油サプラチェーンを表しています。パーム油が農園から製油業そして商社にわたり、その原料からP&Gがスーパーマーケットに並ぶ商品を製造します。   Tigerchallenge295868_154149 このようにしてP&Gは“問題のあるパーム油”を商品に使用し、知らずにそれを使うわたしたち消費者に“トラの楽園”を壊す手助けをさせているのです。 しかしこれは「パーム油が使われている商品を買ってはいけない」ということではありません。パーム油は現在、あらゆるものに使用されているため避けるのは困難といえます。 今回、「森にやさしい企業」 にランクされたネスレ、フェレロ、ユニリーバ、ロレアル、ケロッグなどの企業はすでに「森林破壊ゼロ」方針を導入し、トレーサビリティー改善に努めています。      

<あなたの声が大企業を動かす>

  P&Gに「トラの楽園の森を壊して作られた商品はいやだ!」という、あなたの声を届けましょう。   動く絵本のようにP&Gが森林破壊に加担している様子がみられるウェブページから、P&GにEメールを送信できます! → P&GのCEOにEメールを送る(英語サイト:上の画像を参照、*は記入必須項目) → 一人でも多くの人に伝えるTwitterFacebookでフォロー&拡散)
◆大企業と消費者が持つ、未来を変える力   消費者が企業に変わるよう働きかけることは、どの様な意味があるのでしょう?   大規模な展開している企業は、市場に与える影響も大きく、その分大きな社会的責任があります。消費者が企業に変わるよう働きかけるとこの様な変化が起こります。   ① 消費者が「トラの楽園の森を壊して作られた商品はいやだ!」と声をあげる ② 消費者の声に敏感な有名メーカーが「森林破壊ゼロ」を導入する ③ 有名メーカーにパーム油を買ってほしい貿易会社や生産者も「森林破壊ゼロ」を導入する ④ パーム油産業がより“トラの楽園と共存”できるように変わっていく   例えば、トラという動物は生きていくためにとても広い森を必要とするので、小さな森をまもってもそこでは生きてはいけません。トラが十分に暮らせるような大きな森を保護するには莫大な資金が必要となります。現在、インドネシアやマレーシアに残された森林の多くは企業が所有していますので、できるだけ多くの企業に「森林破壊ゼロ」方針を導入してもらい実行されれば、とても広大な森林を破壊からまもることが出来ます。   ◆泥炭地   落ち葉や枝が長年をかけて積もり、有機質の土のようになった土地。特に深さのある泥炭地は大量の温室効果ガスが蓄積されているため、この場所が開発により破壊されたり、燃やされることにより大量の温室効果ガスが空気中に放出されるため、気候変動を加速させると懸念されています。   ◆RSPO認証システム 「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil、以下RSPO)」は、国際的な基準の設定とステークホルダー(利害関係者)の参加によって、持続可能なパーム油の使用を広げるために2004年に設立されました。参加は自由で多くの生産業者、加工会社、貿易会社、消費財メーカー、小売業者、銀行、NGOなどが参加しています。   しかし残念ながら現在の基準は弱く、RSPOは会員の森林破壊を許してしまっているのが現状です。グリーンピースの調査でRSPO会員の生産者の中にも破壊的な生産を行い環境的・社会的を引き起こしていることが明らかにされています(英語レポート)。   しかしRSPOは世界最大の持続可能なパーム油の認証システムであるという利点があります。したがってグリーンピースは、①RSPO認証をあくまで“基本”として利用し、②「森林破壊ゼロ」方針を公式に導入し、③原料パーム油を完全にトレーサブル(流通過程を生産段階から追跡可能な状態)にし、④これらに野心的な期限を設定し取り組みを進めることを企業に求めています。   ◆P&Gがいかに“トラの楽園”の破壊に加担しているかを明らかにした、グリーンピースの調査報告書 “P&G’s Dirty Secret” (英語) ◆英語関連ブログ“Pulling back the shower curtain: Find out about P&G’s dirty secret!”     http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/pg/blog/48321/