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レゴブロック「2030年までにプラスチックの使用をやめ、『持続可能な新素材』に切り替えます」。レゴ社が200億円近く投資し、15年がかりで開発宣言(FGW)

2015-06-26 15:02:51

legoキャプチャ

世界的な玩具メーカーのレゴ社(デンマーク)は、2030年までにレゴブロックの素材にプラスチックを使うのをやめて「持続可能な新素材」に変えると宣言、そのために新素材開発に100人以上の専門家を新規採用し、「レゴ・持続可能な素材開発センター」を発足させるという。新素材開発のために今後15年間で10億デンマーク・クローネ(約186億円)を投資する。

 

 1963年以降、レゴブロックの素材には石油由来の汎用プラスチックであるABS樹脂が使われてきた。ABS樹脂は丈夫で弾力性に優れた点が特性。レゴでは現在、年間6000トンを超えるプラスチックを使用しており、2014年の1年間でみると、レゴブロック約600億ピースが作られた。

 ただ、原料を石油に頼ることと、プラスチックは廃棄後の環境中での分解ができないことから、土中、海洋等での廃棄物汚染への懸念もあった。同社はこれまで環境負荷の削減に力を注いでおり、レゴ生産に伴うカーボンフットプリントの削減、製品を包装するパッケージ等の削減、森林認証の導入、さらには洋上風力発電への投資などを行ってきた。今回の新素材開発はそうした同社のサステナビリティ活動の一環といえる。

lego無題

 

 レゴグループのオーナーのケル・キアク・クリスチャンセン氏は、「われわれの使命は、明日の築く人材を育て奨励することにある。今回の試みは『未来のために、地球にプラスの貢献をする』というレゴ社の目標に沿った取り組みだ」と語っている。

 

 レゴは2012年から素材問題に取り組んできたという。ただ、「持続可能な新素材」という概念は、現時点では共通のものはなく、素材の構成要素、使用時の管理、廃棄時の管理、環境への影響とともに社会への影響についても概念整理が求められる。

 

 新たに設立される「レゴ・持続可能な素材開発センター」が素材開発と概念整理等の作業を担う。新センターは、デンマークに置かれるが、世界各地にサテライト機能を展開する予定で、他の企業や研究機関、NGOなどの外部のステークホルダーや専門家のとの連携も進めていくという。

 

 

http://www.lego.com/en-us/aboutus/news-room/2015/june/sustainable-materials-centre