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太平洋セメント 福島県南相馬市の耕作放棄地で エネルギー作物栽培で再生実験へ。バイオ燃料、メタンバス発電などで収益向上(RIEF)

2015-10-08 17:45:59

taiheiyosementキャプチャ

 太平洋セメントは、東電福島原発事故の影響で、耕作放棄地となっている福島県南相馬市の農地で、バイオ燃料やメタンガス発電などの原料となるエネルギー作物を栽培する共同研究事業に取り組む。

 

 福島の農地再生事業は、太平洋セメントと、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター(福島市)の共同研究の形で実施する。太平洋セメントが持つバイオマス関連技術を生かして、耕作放棄された農地にソルガム(トウモロコシに似たイネ科の 1 年草で生育が極めて早い)などのエネルギー作物を栽培する。

 

 エネルギー作物を発電に活用する場合、栽培したソルガムを搾汁し、その糖液をリアクター(反応容器)で発酵促進して、メタンガスを生成。それらのガスによってガスエンジンを駆動して発電するのが一般的。この際、発生する搾汁残渣は緑肥や家畜飼料として活用し、蒸留廃液も液肥として利用できる。

 

 また、菜の花等の油脂作物も栽培対象に加え、それらの搾油による食用油、バイオディーゼル燃料生産なども試みる。共同研究の対象となる南相馬市の気候に合ったエネルギー作物腫を選定したうえで、エネルギー作物種と油脂作物とを効率的に二毛作化することで、単位面積当たりの収量の最大化を目指す。

 

 エネルギー作物に特化した農業展開で、採算性を確保するには、500~1,000ha 規模のスケールメリットが必要とされる。このため、これまでのところ、日本での導入事例は限られている。 そこで二毛作体系にするほか、収益構造の多角化を測ることで、より小さなスケールでの収益向上の可能性を図る予定という。


  すでに太平洋セメントでは、福島大学とともに、南相馬市の圃場(ほじょう)で数種のエネルギー作物の栽培実験を実施中。今後、同社が単位面積当たりのバイオマスおよびエネルギーの発生量を評価し、福島大学が南相馬市を事例としてエネルギー生産ポテンシャルを試算する作業分担となっている。

http://www.taiheiyo-cement.co.jp/news/news/pdf/151007.pdf

http://fure.net.fukushima-u.ac.jp/