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オリンパス2009年3月期処理を巡り、会社と監査法人が攻防か?(FGW)

2011-11-10 13:57:47

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損失隠しが表面化したオリンパスの決算処理をみると、2009年3月期に762億円の子会社のれん償却などを実施して1103億円の特別損失を計上した期に、監査法人との攻防があったとみられる。同期の監査法人への国内分の監査報酬(当時はあずさ監査法人、非監査報酬を含む)支払いは、前期より2.1倍増えていた。

 オリンパスの監査法人は、長年、あずさ監査法人が担当してきた。監査報酬の開示は2004年からで、同年の6000万円が翌年1億5500万円と倍増した後は、2億円前後で推移していた。ところが、09年3月期は監査証明の報酬が一気に4億700万円と倍増、非監査業務の報酬も8000万円を計上している。この期から海外の活動や連結子会社の監査証明等の費用も開示しており、合計すると監査費用は13億3400万円に膨れている。

 ただし、あずさ監査法人は同期で監査の担当をはずれ、翌2010年3月期からは新日本有限責任監査法人に切り替わった。切り替え初年度の2010年3月期の監査報酬は、国内分はほぼ半減の2億2500万円、海外分も同様に半減し3億7400万円(前期は8億4700万円)になっている。

監査報酬は基本的に担当会計士らの作業従事時間に基づいて算定されるため、単純に考えると2009年3月期は前期より倍の作業がかかったことになる。その作業の中身、攻防の決着が何だったのかが、ポイントになりそうだ。

オリンパスの有価証券報告書:http://www.olympus.co.jp/jp/corc/ir/data/annual/

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