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大王製紙のCSR基本方針、コンプライアンスが最重要課題と指摘(FGW)

2011-11-22 16:25:18

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前会長が特別背任容疑で逮捕された大王製紙のCSR(企業の社会的責任)基本方針によると、コンプライアンス(法令遵守)をグループ全体の最重要課題として取り組んでいると宣言している。コンプライアンスを取りまとめる最高経営層が法令違反容疑で逮捕されたことで、この宣言も空虚に聞こえるが、コンプライアンスのアラーム装置として「企業倫理ホットライン」等の内部告発制度は機能したのかもしれない。

同社のHPによると、同社のコンプライアンス体制は、経営員会の下に、環境委員会、倫理委員会など4つの委員会を置き、その下に、コンプライアンスで部署ごとに8つの部会を億という構成になっている。チェック体制は、各部署での自己監査、各部署間での相互監査、管理部門による監査、グループ会社間での総合監査という積み上げ方式をとっている。

しかし、今回は、最上層部での法令違反容疑が常態化し、それに対する監査・チェックが効かなかったことが、損害額の拡大につながったといえる。ただ、同社は内部通報制度として企業倫理ホットラインを設置している。内部、上層部の不祥事を関係者に報告する自浄作用のための制度である。今回の不祥事発覚で、この通報制度がどの程度活用されたかは不明だが、社員の間に、内部告発を制度的に認めていることへの理解があったことは推察がつく。

大王製紙のCSRサイト:http://www.daio-paper.co.jp/csr/basic/compliance/index.html