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オリンパス:保有株(旧日商岩井系のITX社株)で穴埋め失敗 01年、上場益見込み(毎日)

2011-12-09 15:54:43

オリンパスの本社事務所が入るビル=東京都新宿区で、久保玲撮影
オリンパスの損失隠し問題で、損失隠しの実行役とされる山田秀雄前常勤監査役(66)と森久志前副

オリンパスの本社事務所が入るビル=東京都新宿区で、久保玲撮影


社長(54)らが00年、同社が保有する情報通信会社「ITX」(東京都港区)の株の上場益を見込んで損失穴埋めを計画していたことが第三者委員会の調査で分かった。ITXは翌年上場したが、株価は低迷し計画は失敗。その後、オリンパスはM&A(企業の合併・買収)に伴う資金で穴埋めした。上場益を活用した損失解消の失敗により、買収に伴う資金の流用に向かった可能性がある。

 第三者委などによると、山田前監査役らは98年から含み損を抱えた金融商品を簿外の海外ファンドなどに移す「飛ばし」を開始。その一方で当時、1000億円近くまで膨らんだ簿外債務を穴埋めする資金の捻出方法を模索していた。

 オリンパスは00年以降、新規事業の展開のため子会社や出資ファンドを通じ、総合商社「日商岩井」(現双日)の子会社だったITXの株(計約190億円分)を取得。これに伴い山田前監査役らは、ITX株の値上がり益による損失穴埋めに期待した。

 ITXは01年12月、ナスダック・ジャパン(現ジャスダック)に上場。しかし、上場後も株価は低迷し、穴埋め資金を捻出できなかっただけでなく、逆に計約63億円の損失が発生したとされる。

 ITX株の取得に関わったファンドはその後、国内ベンチャー3社のM&Aを利用した損失穴埋めの際にも登場。第三者委は、ITXの株価低迷で発生した新たな損失分も、このM&A資金を流用して穴埋めしたと認定した。

 ITXは11年3月、オリンパスが完全子会社化。森前副社長や、損失隠しに関与したとされる菊川剛前会長(70)が取締役を務めた。【山田奈緒、山本将克】

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111209k0000e040174000c.html