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2018年のブラック企業大賞に長時間労働で2人の過労自殺を出した三菱電機。市民投票賞はセクハラ問題と森友隠しの財務省がダントツで選出(RIEF)

2018-12-24 23:13:45

mitubisidenki キャプチャ

 

 ジャーナリストや弁護士らで構成するブラック企業大賞企画委員会は、「ブラック企業大賞2018」を選んだ。大賞には、長時間労働で社員5人が労災認定となり、うち2人を過労自殺に追い込んだ三菱電機が選ばれた。一般投票で決まる「市民投票賞」には、財務省が選ばれた。福田淳一事務次官(当時)による女性記者へのセクハラ問題で、「ブラック官庁」ぶりを発揮した。

 

 大賞に選ばれた三菱電機は、2017年度の売上高が4兆4311億円、営業利益は3186億円と過去最高を更新する業績好調の一方で、労働現場は長時間労働が蔓延。5人の男性社員が精神障害や脳疾患を発症し、2人が過労自殺に追い込まれた。5人は2014〜17年に労災認定された。

 

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 「特別賞」には、日立製作所・日立プラントサービスが選ばれた。長時間労働とパワハラがあったほか、同社で働いていた多数の外国人実習生が在留資格を失う事態を引き起こした。「有給ちゃんと取らせま賞」は、違法な長時間労働を労基署から指摘され、是正勧告を受けたジャパンビバレッジ東京が選ばれた。

 

 今年のブラック企業大賞には、ジャパンビジネスラボ、ジャパンビバレッジ東京、日立製作所・日立プラントサービス、モンテローザ、ゴンチャロフ製菓、財務省、スルガ銀行、野村不動産、三菱電機がノミネートされていた(計9社・1官公庁)。http://blackcorpaward.blogspot.com/

 

 ブラック企業大賞は労働環境を改善する活動として、2012年から行われている。選考基準は、①長時間労働②セクハラ・パワハラ③いじめ④長時間過密労働⑤低賃金⑥コンプライアンス違反⑦育休・産休などの制度の不備⑧労組への敵対度⑨派遣差別⑩派遣依存度⑪残業代未払い(求人票でウソ)などを、総合的に評価する。

 

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 市民がウェブ投票で選ぶ「市民投票賞」に断トツで選ばれた財務省は、事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返すという「ハレンチぶり」を発揮しただけではない。監督責任を持つ財務省トップの麻生太郎財務相が「被害女性に名乗りでるよう促す一方で、事務次官がはめられた可能性などにも言及」(週刊新潮の指摘)するなど、「知性の低さ」を露呈した点も特筆される。https://lite-ra.com/2018/12/post-4448.html?utm_source=onesignal&utm_medium=button&utm_campaign=push

 

 さらに財務省は森友問題の決裁文書の改ざん事件で、今年3月、近畿財務局の担当職員を自殺に追い込んでいる。自殺した近畿財務局職員が遺したメモには、「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」「このままでは自分1人の責任にされてしまう」などという言葉が綴られていたとされる。

 

 「この程度の官庁に、この程度の政治屋」が、日本の政治・経済の運営を担っていることの薄ら寒さを、多くの国民が気付かされた年だったともいえる。「ブラック大賞を贈られも、別に恥ずかしくもない」という企業経営者や政治家、役人らが跋扈するばかりでは、この国自体がいずれ「ブラック国」になりかねない。

 

http://blackcorpaward.blogspot.com/