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ユニクロ、韓国でのテレビCMで、「慰安婦冒涜」との批判を受け、CM放映停止。英語のやりとりの韓国語字幕に“不備”。韓国世論の過敏性を反映(各紙)

2019-10-21 23:34:04

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 各紙の報道によると、衣料品大手ファーストリテイリングは同社の主要ブランド、ユニクロのテレビコマーシャルが、韓国で日本の植民地支配を歪曲するものとの非難を受けたことで、同コマーシャルの韓国内での放映を停止したと発表した。

 

  問題となったCMは、ユニクロのフリースを宣伝する内容で、ファッション通として知られる米国人女性アイリス・アプフェル(Iris Apfel)さん(98)が、85歳年下のデザイナー、ケリス・ロジャース(Kheris Rogers)さんと共演した。

 

 二人の会話の最後にロジャースさんが、「私と同年齢の頃はどんな服を着ていたの」と、アプフェルさんに尋ねる。アプフェルさんは白髪に手をやり、「オーマイゴッド。そんな昔のことは忘れたわ(I can’t remember that far back」との自然な答えを返す、という場面だ。

 

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 ところが、ユニクロ韓国のスタッフが手掛けたという韓国語の字幕では、「80年以上も前に起きたことなんて忘れたわ」になっていた。

 

 80年前の1939年は、日本の朝鮮半島統治の後期。韓国では今も当時の日本の容赦ない統治への憤りが強い。このため、アプフェルさんの韓国語の答えは、「80年前は忘れろ」というメッセージに受け止められてしまった。

 

 ユニクロは、韓国で186店舗を展開するが、日本政府の対韓輸出規制強化を受けて韓国で広まっている日本製品不買運動の主なターゲットにもなっている。そのユニクロが、今度はCMで旧日本軍の慰安婦被害者を冒瀆(ぼうとく)したとする批判が当然のように高まったわけだ。

 

 複数の大学生団体が21日、ソウル・鍾路にある同社の店舗前で記者会見を開き、「ユニクロがCMで慰安婦被害者や強制動員被害者を冒瀆した」として同社に対して謝罪を求め、抗議した。

 

 ユニクロ側は当初「そうした意図はない」と説明した。韓国語の字幕を変えたのは、アプフェルさんとロジャースさんの年齢差を強調し、宣伝対象のフリースが「全年齢向け」の商品だということをアピールするためだったと釈明した。

 

 だが、店舗前での抗議行動等を起こされるや、CMの放映を全面中止すると発表した。抗議行動の団体は、「『80年前』は日本の政治家が『なぜ徴用問題を今でも取り上げているのか』と韓国政府に文句をつける時に揶揄する言葉」と指摘。「ユニクロはそのような意図はないと(釈明)したが、わざとだと思う」と批判している。

 

 韓国のポータルサイト最大手ネイバー(Naver)には、「歴史を忘れる国に未来はない。ユニクロがちゃかした80年前の出来事を忘れることなど、われわれにはできない」との投稿があり、ネイバー上では週末、「ユニクロ、慰安婦」という検索用語がトレンドトップに上がった。

 

 AFPは韓国の元外相で、高麗大学(Korea University)の金聖翰(キム・ソンハン、Kim Sung-han)教授の指摘を紹介している。

 

 同教授は、韓国内の反発には、「ユニクロの行い全てに日本企業として政治的な意味がある」とみなす「論理の飛躍」がみられるなどの点をあげ、CMへの反発は過剰反応だと指摘。アプフェルさんのコメントを「どうすれば慰安婦と関連付けられるのか分からない。神経質すぎる」との見方を示した。

 

https://www.fastretailing.com/jp/

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191021002100882?section=japan-relationship/index