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丸紅が、英国シージャックス社の買収ならびにファイナンス組成完了を正式発表(FGW)

2012-05-28 06:01:48

丸紅が買収した英シージャックス社の洋上風車建設基地
総合商社の丸紅株式会社は産業革新機構と共同で、2012年3月に米国投資ファンドのRiverstone Holdings LLC社との間で合意していたが、このほど、英国洋上風力据付大手であるSeajacks International社(シージャックス社)の買収、並びに買収に関わるファイナンスの組成を完了したことを、正式に発表した。

 今回の丸紅によるシージャックス社買収の資金調達は、日本のみずほコーポレート銀行を主幹事として、日本政策投資銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、ING Bank N.V.、Swedbank AB(publ)の6行がシンジケーション(協調融資)団を組成した。日系企業による欧州企業買収としては、初の本格的LBO(*1)ファイナンスとなった。丸紅では、日本の銀行団を中心とした強力な事業支援に加え、欧州系銀行の洋上事業へのファイナンスノウハウを最大限に活用し、シージャックス社の事業拡大を図っていく、としている。

 同時に、シージャックス社にとって3隻目となる大型洋上風力据付特殊船”Zaratan”が2012年5月24日に竣工、買収資金の調達と同時に同シンジケーションより建造資金の調達も実施した。Zaratanは本年9月よりドイツでの洋上風力発電建設事業に従事することが決まっている。丸紅では、Zaratanの運用開始以後も、新規船舶設備等への投資を積極的に実施し、拡大する欧州洋上風力発電におけるリーディングカンパニーとしての地位確立を目指すとしている。

丸紅は今年3月末には、デンマークの大手総合エネルギー会社であるDONG Energy A/Sから取得した別の英国での洋上風力発電事業の権益49.9%を、日本貿易保険の海外事業資金貸付保険を活用したプロジェクトファイナンスの組成によって実施している。

丸紅は、現在遂行中の中期経営計画SG-12期間中に、ネット保有発電容量を11,000MWに拡大させることを目標に、電力事業に積極的に取り組んでおり、現在、海外において累計約96,000MWの発電所建設EPC(*2)の実績がある。また洋上風力発電を含むネット保有発電容量では約8,800MWの発電資産を有している。さらに発電所のオペレーション・メンテナンス事業の展開を進めている。

 こうしたこれまでの経験・ノウハウを生かし、将来は洋上風力発電の導入・拡大が見込まれる北米、日本、アジア地域等における事業展開も目指していく、としている。

丸紅が買収した英シージャックス社の洋上風車建設基地


日本の電力市場そのものにも、既存の電力会社とは一線を画する格好で早期参入してもらいたいものだ。

 

(*1) Leveraged Buyout
(*2) Engineering, Procurement & Construction

Seajacks International Limited 概要
設立  :2006年
所在地 :英国ノーフォーク州グレートヤーマス
代表者 :Blair William Ainslie
Web  :www.seajacks.com
事業内容:洋上風力発電タービン・付帯設備据付事業
       洋上オイル&ガスプラットフォーム向けサービス事業

 

http://www.marubeni.co.jp/news/2012/120525.html