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中国・三峡ダムの水位、22日には開業以来過去最高の167.5mまで上昇。その後、若干の減少。激しい降雨は26日まで続く見通し。当局は引き続き警戒(RIEF)

2020-08-25 02:52:27

ごおげ001キャプチャ

 

 各紙の報道によると、中国の揚子江(長江)に築かれた三峡ダムの水位は、先週末22日にダム建設以来、過去最高の167.65mをつけた。その後、24日は165mへと2.65mの減少となった。ダムからの放出量を増やしたためとみられる。ただ、揚子江周辺では、引き続き26日まで激しい雨が降り続く見通しで、中国当局は警戒を緩めていない。

 

 新華社等の報道によると、三峡ダムの水位は、22日に過去最高の167.65mまで上昇した。同ダムの設計上の上限は175mとされており、残り7.35mにまで迫ったことになる。その後、日曜から月曜にかけて、放水量を増やすなどの措置をとったことから、165mにまで戻したという。それでもダムの危険水位(145m)を20m上回る水位で推移している。

 

 ダム湖の周辺一帯には、引き続き激しい雨が降り注いでおり、ダムへの流入量自体はそれほど減っていないとみられる。このため重慶をはじめとする上流の四川省の各地方では、洪水や床上浸水の被害が続いている。ただ、三峡ダムの水位がピークから若干下がったことから、重慶の一部地域では、浸水が後退するところも出ているという。

 

 しかし、沖縄周辺を北上中の台風8号の影響による降雨がダム上流地域一帯に降り続いている。予断を許さない情勢が継続している。重慶では運行中のバスが浸水し、乗客が座席の上に立って避難する騒ぎもあったという。

 

 中国メディアによると、習主席は先週の18~19日に安徽省の被災地を視察した。救助活動中に亡くなった消防隊員もおり、主席は遺族や被災者等を慰問した。今回の災害で習氏の視察が伝えられたのは初めてだ。その後、20日には同省で軍幹部を集めた会議に出席し、復興支援の徹底を指示した。

 

 また李克強首相も20日、重慶市郊外の被害地域の農地や家屋等を視察した。首相が視察したある村では、村民約8000人全員が被災したほか、人の背の高さほど屋内浸水したとしている。

 

https://asia.nikkei.com/Economy/Natural-disasters/Anxiety-rises-as-water-set-to-peak-at-Three-Gorges-Dam