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商船三井、モーリシャスでの貨物船座礁・重油流出事故対応で、「自然環境回復基金(仮称)」設立など、約10億円の支援公表(RIEF)

2020-09-11 12:35:45

shousen001キャプチャ

 

 商船三井は11日、同社がチャーターしていた貨物船がアフリカのモーリシャス沖で座礁・重油流出した事故で、サンゴなどの生態系に深刻な影響を引き起こしていることから、モーリシャス自然環境回復基金(仮称)の設立支援等に合計10億円の追加支援策を公表した。同社は現在、現地にグループ社員を13人派遣し、流出原油の回収除去作業等を支援している。

 

 モーリシャス政府は、日本政府に対して、漁船100隻の購入費等、12億モーリシャスルピー(約32億円)の支払いを求めている。一方、船主である長鋪汽船に対する損害賠償額はまだ確定していない。商船三井の今回の対応は、賠償問題とは別に自然環境回復と社会的貢献として位置付けている。http://rief-jp.org/ct12/105642

 

 三井商船による支援策の柱になるのは、「モーリシャス自然環境回復基金(仮称)」の設立。同社は基金の発起人となり、今後数年間に総額8億円程度を拠出する。同基金は、重油流出事故で被害が生じているサンゴ礁やマングローブ等の回復、現地コミュニティへの支援等を継続的に行う。船主である長鋪汽船も拠出の意向を表明しているという。日本総合研究所が運営支援を行う。

 

 同基金とは別に、モーリシャス政府関係団体・国連等の公的機関が設立している基金等に1億円程度を拠出する。同国政府が設立した漁業従事者への支援基金および支援団体(The Fishermen Welfare Fund, Mauritius Oceanography Institute等)への拠出を含む。

 

 「自然環境回復基金」による活動としては、まず、日本マングローブ学会やモーリシャス大学等が推進するマングローブ保護・育成プロジェクトで協働する。サンゴ礁回復プロジェクトでは、イノカ、モーリシャス大学、アルビオン水産研究所、EcoMode Society等による汚染の影響を受けたサンゴ礁の養殖・移植事業等を支援する。海鳥の保護・希少種海鳥の研究支援も予定する。

 

 人的貢献として、現在、グループ社員を現在13人派遣しており、今後も継続的な支援を続ける。またモーリシャス駐在員事務所を10月にも設立し、現地での関係当局やモーリシャス地域社会との中長期的な連携・対応を進めるとしている。同社グループの世界各地の社員を数名選抜し、毎年モーリシャスで研修を実施、海洋汚染防止や自然環境保護への理解を深めるとともに、地域社会に貢献する活動を行うとしている。

https://www.mol.co.jp/pr/2020/20057.html