HOME12.その他 |カナダ政府、来年末までに、プラスチック製の使い捨てストローやレジ袋、食器等の使用禁止へ。2030年までに「ゼロ・プラスチック」を実現へ。EU等と足並みそろえる。日本の出遅れ明瞭に(RIEF) |

カナダ政府、来年末までに、プラスチック製の使い捨てストローやレジ袋、食器等の使用禁止へ。2030年までに「ゼロ・プラスチック」を実現へ。EU等と足並みそろえる。日本の出遅れ明瞭に(RIEF)

2020-10-12 18:08:41

Canada002キャプチャ

 

 カナダ政府は2021年末までに使い捨てストローやレジ袋、プラスチック製の食器等の使用を禁止することを決めた。2030年までにはすべてのプラスチック製品の使用をなくし、「ゼロ・プラスチック」を実現するとしている。

 

 (写真は、記者会見でプラ製品使用禁止措置を発表する環境相のウイルキンソン氏)

 

 プラスチック製品の使用禁止や制限は、EUがストローや漁具など10種類の使い捨てプラスチック製品を販売や流通から撤去する「EU指令」を発しており、来年から実施に移される見通し。EU離脱の英国も、今月1日から、使い捨てストローやプラスチック棒付き綿棒、スターラー等の使用禁止に踏み切っている。https://rief-jp.org/ct12/107061?ctid=65

 

 ただ、日本は7月からレジ袋有料化策を実施しているが、使用禁止には踏み込んでおらず、「中途半端な政策」との声が内外からあがっている。

 

Canada005キャプチャ

 

 カナダのプラ製品使用禁止措置は、環境相のジョナサン・ウイルキンソン(Jonathan Wilkinson)氏が先週の記者会見で明らかにした。カナダは海岸線の長さでは世界最長で、世界の淡水の4分の1を占める自然資源を抱える。しかし、同国で発生する廃プラごみは年間300万㌧以上に達し、海洋汚染を増大させている。同国でのプラスチックリサイクルは廃棄物の9%でしかない。

 

 ウイルキンソン氏は「プラスチックごみは、カナダの自然環境を脅威にさらしている。川や湖に投棄され、特に海洋汚染はひどい。それらの自然環境に生息する野生生物たちの生活を脅かしている。カナダの人々は、この汚染の影響を実感している」と述べた。

 

 そのうえで「プラスチックを使用禁止にする目的は、それらのリサイクルは容易ではないうえに、コストがかかるということだ。だったら、他の代替品を準備するしかない」と強調した。

 

 使用禁止の対象から除外されるのは、個人用の保護具や、新型コロナウイルス感染対策等で使われる医療用や健康管理用製品等に限定する。ただ、これらの除外製品の廃棄防止の対策や生分解性プラスチック等の扱いについては、明確な方針は示していない。

 

 今回の方針は、カナダのジャスティン・トリュドー)首相が昨年6月に、プラスチック使用禁止方針を打ち出していたことを受けたもの。 政府は今回の方針に対する国民からの賛否の声を12月9日まで受け付け、対策に反映させる方針だ。