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コロナウイルス感染拡大が続く米ニューヨーク市で、リスが「凶暴化」。人を襲い、けが人相次ぐ。体長30cmの大物リスが、群れを成して攻撃。エサやりが常態化して人を恐れず(RIEF)

2021-01-07 01:19:53

squrrol001キャプチャ

 

 新型コロナウイルス感染拡大が一向に収まらない米ニューヨーク市で、昨年のクリスマス前から、「凶暴なリス」が住民に相次いで被害を与え、問題化している。「アグレッシブ・リス」と呼ばれ、大きいものは体長30cmの大型。人を恐れず、攻撃してくるという。

 

 「凶暴なリス」が出没するのは、ニューヨーク市クイーンズ(Queens)地区。同地区のリゴパーク(Rego Park)の周辺住民が、相次いでリスに襲われた。12月だけでも複数回あった。女性1人は手をかまれ、緊急治療を受けた。20件以上の「攻撃」があったとの証言もある。

 

 同地区の公園等に生息しているのは、トウブハイイロリスというリスが中心。米国のテキサス州東部からカナダ南東部などにかけて分布している樹上性のリス。体毛は腹面が白い以外は、全体に灰色か茶色や黄色を帯びた灰色をしている。

 

指をかまれた人
指をかまれた人

 

 体長20~30cm、しっぽがさらに30cmという大型。木登りは上手だが、採食するのは地上での場合が多いという。冬季などに備えて土中に食物を貯蔵することもあるが、冬眠はしないので、冬でも公園を飛び回ることが多い。

 

 同公園の「凶暴リス」は単独の場合も、群れを成している場合もあるという。住民の一人は、ペットとして買っていたリスが逃げ出したが、自然の中でエサをとる方法をしらないので、エサをくれる人間を襲うようになった可能性があるとみている。他のリスもその様子を見て、人間を襲うようになったのではないか、と推測している。

 

 リス対策として、外出の際は催涙スプレーを携帯している人もいる。ミシェリン・フレデリックさんはリスと遭遇、かみつかれたり、首を引っかかれたりした。地元紙の取材に答えて「いつのまにか、リスとの金網マッチが始まっていて、負けていた」「次に会った時は、今度はリベンジしてやるわ」と意気軒高だが。

 

 ニューヨーク市の保健当局は、リス対策として「ニューヨーク州の認可を受けた駆除業者」を呼ぶよう住民らに助言している。また、かまれた場合でも、「リスなどの小型げっ歯類の狂犬病感染が確認されることはあまりない」と説明しているが、万一、狂犬病感染が疑われる動物を目撃した場合、地元当局に通報するよう呼び掛けた。

 

 地元の自然保護団体によると、トウブハイイロリスは元々、ニューヨーク市一帯に生息しており、人間よりも「住民歴」は長い。人間の方が後からやってきたのだ。コロナ禍で、リスにエサを与える人が減って、食料不足からストレスが溜まっている可能性もある。人間を攻撃するリスが増えてきたのは、エサやりが過ぎて、リスが人間を全く怖がらなくなり、人間そのものを「食べよう」と勘違いしているのかもしれない。

 

 この事例も、生態系と人類との付き合い方が、どこかで間違ってしまったケースのようだ。いずれ「狂暴なリス」の一群から智恵のあるリスが生まれ、人間が作った摩天楼の地を、森に返すための大反撃を展開するかも。「リスの惑星」かーー。

 

https://nypost.com/2020/12/30/savage-squirrel-terrorizes-queens-with-cage-match-attacks/?utm_source=NYPTwitter&utm_medium=SocialFlow&utm_campaign=SocialFlow