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東洋経済が「環境報告書賞・サステナビリティ報告書賞」の選出を休止へ(FGW)

2012-09-10 13:22:13

東洋経済の環境報告書・サステナビリティ報告書のシンボルマーク
東洋経済新報社が企業の社会的責任(CSR)推進のために、15年にわたって実施してきた環境報告書等の表彰制度を、来年は休止することになった。同制度は1998年に始まり、企業が自らのCSR活動の成果を外部に情報開示することの普及、啓蒙を目指してきたが、報告書の普及が一段落した一方で、表彰制度の限界も指摘されていた。

 

同社の報告書表彰制度は、環境報告書と、サステナビリティ報告書の二本立て。毎年、優秀賞等を選出しており、これまで15回実施してきた。それぞれ最優秀賞1本と、複数の優秀賞、優良賞を選び、企業の担当者に手渡してきた。また企業本体だけでなく、工場単位のサイトレポート賞、大学や自治体などの公共部門賞なども同時に選出してきた。

ただ、報告書作成企業数の伸びが頭打ちとなっているほか、デフレの長期化で各企業には経費節減機運が強く、報告書の簡素化、廃止に踏み切るところも出ている。またネットの浸透で、報告書のネットと紙媒体との切り分けが課題となっているが、現行の制度では十分にネット報告書を評価できでいないとの批判もあった。報告書全体がマンネリ化し、表彰対象となる企業も“常連化”していたことも、制度の意味が薄らいでいるとの見方を生んでいた。

CSR報告書関連の表彰制度は、同社以外にも複数ある。ただいずれもこれまでの啓蒙活動のレベルから、企業収益と連動するようなCSR活動の手応えを高めるレベルにまで至っていないとみられる。同社の制度の場合も、応募企業数は2010年の表彰をピークに徐々に減少していた。

 同社は来年は表彰制度を休止するが、次年

東洋経済の環境報告書・サステナビリティ報告書のシンボルマーク


以降どうするかは、決定しておらず、今後、関係者間での協議して対応するとしている。表彰制度から新たな制度に切り替える可能性もあるようだ。

東洋経済新報社のサイト: http://www.toyokeizai.net/corp/award/kankyo/index.php