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ケニアで、サトウキビの搾りカスを紙に変え、森林保護の事業化進む(Alertnet)

2011-05-10 18:16:20

【ナイロビ5月6日】By Gitonga Njeru:違法伐採の減少や地球温暖化の緩和に向け、ケニアの企業がサトウキビの搾りかす(バガス)から紙を作る事業を今春から始めた。まだ小さな一歩だが、熱帯雨林保護と連携した途上国での雇用とキャッシュフローを生むビジネスとして広がりが期待される。

ケニアでは違法伐採により、森林や地域社会、自然生息地が深刻な影響を受けている。水の供給源として重要な役割を果たしているカカメガ熱帯林は、この違法伐採により減少を続け、この4年間で1/3以上を失った。バガス(サトウキビ残渣)による製紙事業は、こうした違法伐採から森林を保護し、同時に職の機会の提供にもつながると環境保護家は話す。

すでに米国、インド、メキシコ、オーストラリアなどの国々でバガスからの製紙事業が行われているが、ケニアではこの3月から事業が初めてスタートした。しかし、同国はサブサハラ地域では最大のサトウキビ生産国の一つでもあることから、この製紙事業が将来、成長するとの期待が込められている。

創業したのはKibot Sugar and Allied Industries Limitedという企業で、1400万㌦を投じて、バカスから紙を作る工場を始めた。毎年、48万tの場ガスを農家や個人から買い集める予定。農家は、これまで捨てていたバガスを製紙会社に売ることにより、1kg当たり2ドルの収入を得ることができる。平均的な農家はサトウキビの収穫期間である半年の間に、数百kgのバガスを販売することができる。

東アフリカ最大の製紙国であるケニアは、世界経済危機後に多くの製紙会社が倒産したが、このバガスを用いた紙は経営難の製紙会社の助けとなるかも知れない。現在、同国の製紙会社はウガンダなど周辺国に事務所を設け、バガスを用いた紙の輸出を行っている。同国は東アフリカでバガスによる製紙を行っている唯一の国であり、今後これを産業として発展させることを計画している。