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虹の戦士号、2週間にわたるモザンビーク政府との合同漁業調査を終了――インド洋で違法・過剰漁業などを監視(Greenpeace)

2012-09-25 10:57:21

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【モザンビーク、29日】グリーンピースの船‘虹の戦士号’は本日、9月初旬から2週間にわたったモザンビーク水産省との合同調査を終了しました。モザンビーク領海内を監視し、主に商業価値の高いマグロやサメなどを捕る外国漁船の調査を進めるため活動を行っていました。インド洋は漁業管理体制が十分に機能していないことから、過剰漁業や違法漁業を取り締まることができていない状態です。


 


今年初めて行ったインド洋での合同調査は133,500平方キロの海域で実施され、外国船4隻の調査を行いました。3隻が日本、1隻がスペイン船で、うち日本かつお・まぐろ漁業協同組合に所属する第27福積丸(Fukuseki Maru N°27)は、モザンビーク政府の捜査官が船内で見つけたフカヒレの重量を計測することを許可しませんでした。これは許可条件に違反するため、モザンビーク政府は法的手続きをとることを検討しています。

モザンビーク水産省の漁業監視局局長、ジョアノア・セネテ氏は、「違法漁業は十分な管理・監視ができないインド洋に面する国々で大きな問題となっています。水産業界に影響を与え、次世代を犠牲にして資源を食いつぶしています。グリーンピースとの合同調査が、違法、過剰、そして無秩序な漁業を縮小もしくは排除出来ることに貢献すると考えました。そうして、漁業から得られる経済利益と漁業資源の持続可能性を最大限に引き出せるのです」と語りました。

モザンビーク領海内で操業を行っている漁船は、収益の大きい刺身やフカヒレの貿易用に、ビンナガマグロやサメを捕っています。ビンナガマグロは海域において過剰に捕られており、サメは絶滅の危機に瀕している種も多くいます。

グリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「刺身用マグロの一大市場である日本には、国際的な保護管理を無視した漁業によって乱獲されたマグロも多く出回っているのが実態です。漁業、魚食、そして生物多様性を脅かす大規模な過剰漁業や違法漁業を、消費者が知らぬ間に手助けしているようなことはあってはなりません」と強調し、日本で魚介類を取り扱う小売業者に対して、「乱獲された魚介類の取り扱いをやめ、商品の資源状態や環境負荷に関する情報を消費者に丁寧に提供することが、魚食や水産業を守るためにも欠かせません。シーフードビジネス、そして魚食の持続可能性を確保するために、魚介類におけるトレーサビリティー体制の確立が急がれています」と語りました。

グリーンピースは、魚食や漁業、そして生物多様性を次の世代に残すためには、小売やレストランが魚介類の持続可能な調達方針を作成し、乱獲された魚介類の取り扱いをやめ、商品の資源状態や環境負荷に関する情報を消費者に提供する必要があるとして、活動を続けていきます。さらに、過剰漁業や違法漁法に焦点を当て、地域社会が海からの恩恵を末永く受けることの出来るよう、今後もインド洋での活動を続けていきます。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2012412/pr20120924/