一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

外部電源が失われた場合、復旧に時間がかかる原子力発電所と再処理施設が6カ所あることが、福島第一原子力発電所事故に伴う原子力安全・保安院の調査で明らかになった。

9日、原子力安全委員会に提出された報告書によると該当する発電所・施設は、日本原子力発電敦賀発電所2号機、四国電力伊方発電所1号機・2号機、東北電力東通原子力発電所、電源開発大間発電所、日本原燃六ヶ所再処理施設、日本原子力研究開発機構東海再処理施設。1つの変電所からのみ電力を供給されているか大元が1つの変電所であるため、外部電源が失われた際に復旧に時間がかかるとされた。

　このうち、敦賀発電所2号機と伊方発電所1号機・2号機についてそれぞれの電力会社は、2つ以上の変電所から受電する対策を講じると報告している。残りの4発電所・再処理施設については、送電切り替えにより電源喪失の早期復旧を可能とするという対策が示された。原子力安全・保安院は、これら事業者から示された対策を、いずれも妥当な対応と評価している。

　原子力安全・保安院によると、2つ以上の変電所から受電しているため、外部電源喪失の恐れはないとされたのは、北海道電力泊発電所、東京電力柏崎刈羽原子力発電所、中部電力浜岡原子力発電所、関西電力美浜発電所、同高浜発電所、同大飯発電所、日本原子力発電敦賀発電所1号機、日本原子力研究開発機構高速増殖原型炉もんじゅ、九州電力玄海原子力発電所3号機・4号機の9カ所だけだった。

　東北電力女川、日本原子力発電東海第二、北陸電力志賀、中国電力島根、四国電力伊方3号機、九州電力玄海1号機・2号機、九州電力川内の7発電所は、大元が1つの変電所のため外部電源の喪失は起こりうるものの、送電系統の切り替えによって早期に復旧が可能とされている。