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米大統領が気候変動への取り組み強調、2期目就任演説で(Reuters)  温暖化国際交渉を意識か?

2013-01-22 08:51:02

1月21日、オバマ米大統領は、2期目の就任演説で、一部のエリート層の成功ではなく中間層の繁栄に注力すべきとの考えを表明するとともに、経済問題の解決に向け、議会に対し党派の違いを乗り越えた取り組みを要請した。ワシントンで同日撮影(2013年 ロイター/Win McNamee/Pool)
1月21日、オバマ米大統領は、2期目の就任演説で、一部のエリート層の成功ではなく中間層の繁栄に注力すべきとの考えを表明するとともに、経済問題の解決に向け、議会に対し党派の違いを乗り越えた取り組みを要請した。ワシントンで同日撮影(2013年 ロイター/Win McNamee/Pool)
1月21日、オバマ米大統領は、2期目の就任演説で、一部のエリート層の成功ではなく中間層の繁栄に注力すべきとの考えを表明するとともに、経済問題の解決に向け、議会に対し党派の違いを乗り越えた取り組みを要請した。ワシントンで同日撮影(2013年 ロイター/Win McNamee/Pool)


[ワシントン 21日 ロイター] オバマ米大統領は21日に行った2期目の就任演説で、気候変動問題に取り組むとの考えを示した。大統領は、気候変動の悪影響を抑えながら経済成長を実現できると指摘。「気候変動の脅威に対処する。それができなければ、われわれの子どもや未来の世代を裏切ることになる」と述べ、温室効果ガスの排出削減に取り組む姿勢を強調した。

大統領は、米国が持続可能エネルギー分野で主導的な役割を担うべきだとし、「新規雇用・産業を創出する技術を他国に譲渡することはできない」と述べた。

気候変動問題は、昨年の大統領選で表立った争点にはなっていなかった。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPTYE90K05N20130121

 

◇      ◇       ◆       ◇

[ワシントン 21日 ロイター] オバマ米大統領は21日、2期目の就任演説で、経済問題の解決に向け、議会に対し党派の違いを乗り越えた取り組みを要請し、国内融和を訴えた。

大統領は「絶対主義を原則と間違えるべきではなく、政治を見世物にしたり、中傷を妥当な議論と扱ったりすべきでもない。われわれは取り組みが完全ではないことを認識しながらも行動すべき」と語った。

また一部のエリート層の成功ではなく中間層の繁栄に注力すべきとし、「米国の繁栄は中間層の広い肩に委ねられるべき」と主張した。

大統領は約20分にわたる演説で、環境問題や移民法改革、同性愛者の権利向上など、多岐にわたるテーマに言及。今後4年の政策の優先課題を示した。

財政再建問題では、赤字削減に向け「厳しい選択」を約束するとともに、税制改革などを求めた。

「個人の自由を守るには、最終的には集団行動が必要」とも語り、未解決の課題を克服するため、国民に支援を求めた。

1期目で達成できなかった環境問題については、とりわけ取り組みの必要性を強調し、「対策を怠れば子どもたちや次世代への裏切りとなることを認識しつつ、気候変動への脅威に取り組む」と表明した。

同性愛者の権利向上にも取り組む意向を示し、「同性愛者が法の下で等しく扱われるまで、われわれの旅は終わらない」と言明した。

「米国をなお機会を与えてくれる国ととらえ、前向きに努力する移民を迎えるためのより良い方法を模索する」として移民法改革への意欲も示し、大統領再選を支えたヒスパニック層に配慮する姿勢を示した。

昨年コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受けて、銃規制強化に取り組む意向もあらためて表明。「全米のすべての子どもたちが大切に守られていると認識し、身の危険を感じなくなるまで」、米国は取り組みの手を休めてはならないと訴えた。

外交政策への言及はあまりなく、イランの核問題やシリア情勢、台頭する中国への対応などは素通りした。

ただ「他国と平和的に違いを克服する勇気を示す」とし、「米国はアジアからアフリカ、米州から中東に至るまで民主主義を支援する」と述べた。

大統領は演説に先立ち、連邦議会議事堂で就任宣誓を行った。黒人初の米大統領誕生となった2009年の歴史的な就任式には、過去最高となる約180万人の観客が詰め掛けたが、この日は4年前のような熱狂はなく、半分以下となる70万程度が就任式を見守った。

最近の世論調査では、共和党が守勢に回る中、大統領の支持率は回復傾向にある。だが財政協議や銃規制、移民法改革などをめぐり、共和党は大統領に徹底抗戦する構えで、大統領は対応に依然苦慮している。

金融危機が最も深刻化していた4年前に比べ、経済は緩やかながらも回復しており、オバマ大統領を取り巻く環境は改善した。ただ残された課題は多く、大統領は2期目も厳しい道のりに直面することが予想される。

 

http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTJE90K01L20130121?rpc=188&pageNumber=1&virtualBrandChannel=0