HOME |神戸製鋼所 栃木に内陸型ガス火力建設へ 原発一基分以上の発電量 電力事業を一段と強化(FGW) |

神戸製鋼所 栃木に内陸型ガス火力建設へ 原発一基分以上の発電量 電力事業を一段と強化(FGW)

2013-02-23 19:30:07

神鋼のガス火力発電の仕組み
神鋼のガス火力発電の仕組み
神鋼のガス火力発電の仕組み


神戸製鋼所は22日、栃木県真岡(もおか)市に都市ガスを燃料とする高効率ガス火力発電所を建設する計画を発表、環境アセスメント手続きを開始した。発電規模は、原発1基(100万キロワット前後)分を上回る140万キロワット(70万キロワット2基)で、投資総額は1000億円前後を見込む。19年にも稼働を開始、発電電力は東京電力に販売する。完成すれば国内初の本格的な内陸型火力発電所になる見通しだ。

環境アセスメント手続きの開始は3月下旬の予定で、アセスメント実施期間はおよそ3年を見込んでおり、事業の稼働は2019年から2021年頃を目標としている。

建設するのは同社の真岡製造所に隣接する栃木県の工業団地(真岡市鬼怒ヶ丘1丁目第5工業団地)で、同地には東京ガスが都市ガス供給幹線「茨城~栃木幹線(茨城県日立市~栃木県真岡市)」の敷設工事を進めている。同線は2015年度完成予定。このため、燃料となる都市ガスを安定的に調達できるほか、既存の送電網への接続が比較的容易である等、ガス火力発電所立地上、優位な社会インフラが整っている。

神鋼では、同発電所建設によって、東電が老朽化した火力発電所の建て替えに伴い計画している1000万キロワット規模の入札に応札する方針。神鋼はこれまでも、電力卸売(IPP)事業に力を入れている。約2000億円を投じ神戸製鉄所内に140万キロワットの石炭火力発電所を建設し、02年から関西電力に販売してきた。12年度の同事業売上高は約800億円を見込んでいる。

一方、神鋼の本業である鉄鋼事業は不振が続き、13年3月期連結決算は300億円の最終(当期)赤字になる見通し。海外市場での競争等が激化する鉄鋼業に比べて、IPP事業は安定した利益が見込めるとみて、事業領域を関東圏にも広げることにした。

資本力と技術力のある鉄鋼業は、ガス事業とともに、電力完全自由化後の有力電力事業者といえる。

http://www.kobelco.co.jp/releases/2013/1188034_13519.html