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日本のODA案件の外務省レビューに対してFOEとメコン・ウォッチが問題指摘

2011-02-17 21:15:02

2011年2月16日(以下はFOEジャパンとメコンウォッチのサイト情報を元に作成)
1月17日、外務省から発表された『戦略的・効果的な援助の実施に向けて~「見える化」の徹底とPDCAサイクルの強化-』 において、過去のODA案件のレビュー結果が公表されました。 FoE Japanとメコンウォッチは、かねてから、ODAの見直しには、過去のODAのレビューが不可欠としてきました。今回の外務省の公表は、FoE Japanとメコンウォッチの主張を一部ではありますが取り入れた形となりました。
しかしながらその内容は、現状認識が甘く、問題の分析も不十分であり、これではODAが問題なく実施されていることを宣伝しているのと変わりありません。



過去のODAの問題では、いまだに現地の住民が苦しんでいるケースもあります。こうした状況を改善するためにも、同じ過ちを繰り返さないためにも、どのような問題がなぜ生じたのかの分析は不可欠です。
このたび、FoE Japan、JACSES、メコン・ウォッチ、セブ・ボホールネットワーク、フィリピン情報センターナゴヤの5団体は、外務省が公表した過去ODAレビューのうち10案件に関して反論を作成しました。

ここからは、次のような問題点がみえてきます。







認識が甘い
外部からの指摘をごく一部しか取り上げていない。また、事業の何が問題とされたかを正しく理解しているとは言い難い。
評価が甘い
問題に対応がされていなくても、「改善された」と評価している。
レビュー手法が不明確かつ不十分
OECFの元職員が実施したなど手法に疑問が残る事後評価、他機関の事後評価や関連調査を踏まえていない事後評価の結果をそのまま流用している案件もある。
問題分析・教訓とも不十分
認識・評価が甘く、レビュー手法が不十分なことから、問題分析も教訓ともに不十分なものとなっている。

とりあげた案件は、下記の通りです。
タイ・ラムタコン揚水式水力発電所建設計画、マレーシア・パハン・スランゴール導水計画、スリランカ・南部ハイウェイ建設計画、フィリピン・メトロセブ開発計画(埋立て)、カンボジア・国道一号線改修計画、タイ・環境保全基金支援計画(サムットプラカン汚水処理プロジェクト)、ラオス・ナム・ルック水力発電計画、フィリピン・北ネグロス地熱開発計画、フィリピン・ボホール灌漑計画、インド・レンガリ灌漑計画
詳しくはこちら
外務省のレビュー結果に対する反論[PDF]

外務省の報告書はPublication & Documentsの中にあります。

FoE Japanとメコンウォッチは、ODAの改善に向け、これからも外務省への働きかけを続けていきます。