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都道計画の賛否問う東京都・小平市の住民投票 市は「投票率50%未満は開票せず」言明 住民意見軽視の姿勢(各紙)

2013-05-13 20:00:52

投票を呼びかける「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」メンバーら。自転車の前かごには「5月26日住民投票に行きましょう」と書かれた会手作りのプレート=小平市で
投票を呼びかける「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」メンバーら。自転車の前かごには「5月26日住民投票に行きましょう」と書かれた会手作りのプレート=小平市で
投票を呼びかける「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」メンバーら。自転車の前かごには「5月26日住民投票に行きましょう」と書かれた会手作りのプレート=小平市で


各紙に報道によると、東京都内で初の住民の直接請求に基づく住民投票が16日に小平市で告示され、26日に実施される。市内を走る都道計画の是非を問うのが目的。しかし、都事業への住民投票に市は難色を示し、4月に市提案で改正された住民投票条例に基づき、投票率が50%以上に達しなければ「住民の意思を反映している根拠が薄い」として開票もしない。直接請求した市民グループはビラ配りなどをして投票率アップを目指している。

 


 「住民投票は市民の意思を示す貴重な機会、まちづくりの在り方を変える一歩です。住民が参加するまちづくりのため、住民投票に行きましょう」




 条例を直接請求した市民グループ「小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会」のメンバー四人は八日、花小金井南町を歩いて呼び掛けた。都道計画地から離れた地区。マイクやのぼり旗、ちらしを手に住宅街の路地をくまなく歩く。


 住民投票の対象は、1963年に都市計画決定された府中−東村山市間の都市計画道路「3・2・8号線」(13キロ)のうち、小平市の約1・4キロを「住民参加で計画を見直す」か「計画の見直しは必要ない」かを問う内容。

 計画通りだと緑豊かな雑木林を伐採し、玉川上水の遊歩道も分断し、自然環境を悪化させる懸念がある。このため「住民の意思を反映させる会」が7183人の署名を集めて住民投票条例の制定を直接請求し、条例案は3月の市議会本会議で可決された。ただ、4月24日の臨時会で「50%条項」を賛否同数の紛糾の末、議長の賛成票により可決、導入された。

 小林正則市長は「都の事業に対する住民投票は適当でない」と住民投票に慎重姿勢を示す。投票率が50%以上の場合は27日に開票し、結果を都と国に伝える方針だが、見直しを求める声が多数を占めても、見直しを都に迫る考えはないとしている。事業主体である都が住民投票の結果に従わなければならないルールもない。

  有権者14万9187人(3月末現在)の50%に達しなければ、仮に7万票あっても封印扱いで「倉庫送り」になる。反映させる会の共同代表、水口和恵さんは「市は市民でなく都の方ばかり向いている。50%の『成立要件』導入は不当だが、まずは成立に向けて全力で取り組む」と話している。 

条例改正案に反対した市議は「投票率アップに努力するのは実施する市の責務。現状は積極性が感じられず、盛り上げる気がないと取られても仕方がない」と指摘している。市が市民を向いているのか、都を向いているのかを問う投票にもなりそうだ。

 

http://mainichi.jp/select/news/20130513k0000e040174000c.html