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流出原油の完全除去、エクソンに執拗に要求へ=米州知事(Reuters)

2011-07-08 12:04:22

【ヘレナ(米モンタナ州)6日ロイター時事】米モンタナ州を流れるイエローストン川で石油会社エクソンモービルのパイプラインが先週末に破損して原油が流出した問題で、同州のシュワイツァー知事は5日、同社が流出した原油を完全に除去するまで、同社に「スカンクの臭いのように」執拗にまとわりつくことを誓った。 

 直径約30センチメートルのエクソンのパイプラインは1日夜、イエローストン国立公園から約240キロメートル下流にある同州の町ローレル近郊で破損し、最大1000バレルの原油が増水した川に流出した。

 原油から発生した有毒ガスにより、多くの人々が呼吸困難や目まいを訴えて地元の病院に搬送された。一方、州や連邦政府の当局者は健康被害や事故後避難した住宅の数を把握していないと述べた。

 運輸省は5日、エクソンに対し、パイプライン保護のためにパイプラインをイエローストン川の河床下に埋め直し、パイプラインが水路と交差する部分についてリスク評価を行うよう命じた。エクソンはその後、パイプラインの使用を再開する前に、再開計画を提出しなければならない。

 エクソンの担当者は、少なくとも40キロメートル下流まで汚染が広がっているが、原油の大部分は川の局地的な場所にとどまっているもようだと述べた。

 しかしシュワイツァー知事は、これまでに多数の土地所有者が被害を受けていると指摘し、川沿いの低地に「かなりの量の原油」が流れ込んでいると述べた。

 エクソンと環境保護局(EPA)によると、川沿いでは5日、作業員約350人が吸収材を使って原油の除去を行った。

 原油流出は川沿いの牧場経営や農業に大混乱をもたらした。ローレル周辺の約800エーカーの土地で、家畜、小麦、アルファルファ、それに干し草を夫と一緒に育てているキャシー・ウィリアムズさんは、川の水位が高かったため、原油が敷地の大部分に流れ込んだと述べた。ウィリアムズさんは「川の水位がピークに達した時だったので、川の水があちこちに流れ込み、原油が牧場全体に到達した。全ての草、木、それに低地に厚くて黒い原油がへばりついている」と語った。

 ウィリアムズさんによると、春小麦とアルファルファには水をやる必要があるが、地域の農民はしばらくの間、川から取水しないよう勧告を受けている。飲み水も汚染されている。ウィリアムズさんは「私たちと家畜の飲み水は井戸のものだが、全ての地下水は恐らく汚染されていると思う。詳しいことは分からない」と語った。

 現地を視察したシュワイツァー知事はロイター通信の電話取材に対し、浄化作業が完了したと判断するのはモンタナ州だけだとエクソンと連邦監督当局に通知したと述べ、「州としては、スカンクの臭いのように(執拗に)これを追求する」と語った。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011070700369