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インドネシア大統領がグリーンピースと協力(Greenpeace) GPさん わが国の安部首相も招待してあげてください。

2013-06-11 15:00:24

<虹の戦士号を訪れたユドヨノ大統領(右)と、グリーンピース・インターナショナル事務局長クミ・ナイドゥ(左)>
<虹の戦士号を訪れたユドヨノ大統領(右)と、グリーンピース・インターナショナル事務局長クミ・ナイドゥ(左)>
<虹の戦士号を訪れたユドヨノ大統領(右)と、グリーンピース・インターナショナル事務局長クミ・ナイドゥ(左)>


6月7日、インドネシアのユドヨノ大統領が、ジャカルタに寄港したグリーンピースの「虹の戦士号」に乗船し、グリーンピースと協力してインドネシアの生物多様性を保護していくと約束しました。

インドネシアの熱帯雨林保護を強く訴えてきたグリーンピースに対して、2010年には「虹の戦士号」の入港を拒否するなどして、後ろ向きの姿勢を貫いてきたインドネシア政府がその方針を180度転換した瞬間です。

ユドヨノ大統領は、インドネシア政府の閣僚たちのみならず、家族も連れて虹の戦士号に乗船し、子供の世代のために生物多様性を守る必要があると訴えました。

さらに、グリーンピース・インターナショナルの事務局長クミ・ナイドゥに対して「グリーンピースには、インドネシアの課題を指摘し続けることで良いパートナーであり続けてほしい。私は、グリーンピースがインドネシアそして世界のために取り組んできたことに感謝したい」と語っています。

 

グリーンピースの熱帯雨林保護、10年間の道のり

地球に残された熱帯雨林の約10%がインドネシア一国に存在すると言われます。

しかし、その熱帯雨林は紙、パーム油、鉱物などを生産するために世界でもっとも早いスピードで伐採され続けてきました。

その結果、インドネシア国土の82%を覆っていた熱帯雨林は、今ではその国土の42%を覆うのみとなっています。

グリーンピースは、2003年からインドネシアの熱帯雨林保護のための活動を続けてきました。時に、グリーンピーススタッフの顔写真が貼られた等身大人形を木にぶら下げられたり、ジャカルタ事務所の閉鎖を迫られたりの嫌がらせを受けたりすることもありました。

しかしグリーンピースは、熱帯雨林伐採に関与するインドネシア、そして多国籍企業に対して世界に広がる市民のネットワークを通じて熱帯雨林伐採をやめるように働きかけてきました。
 
その結果、ネスレ、ユニリーバ、ダノン、マテル、レゴなどの大手企業がインドネシアの伐採企業との取引をやめました。

これを受けて、それまで伐採に関わっていたインドネシアの企業が変わり始めます。2011年2月にインドネシアのパーム油生産大手のGAR社が、そして2013年2月には製紙メーカー大手のAPP社が自然林の「伐採ゼロ(Zero Deforestration)」を約束した(注1)のです。

このように多国籍企業やインドネシアの大企業が方針を転換したことで、ユドヨノ大統領も熱帯雨林保護に方針を転換してきたというわけです。

グリーンピースは、大企業にその環境方針を変えてもらうことによって、政府の方針を変えていくという環境保護戦略を採用していますが、今回もその戦略が効を奏してきていると言えます。

もちろんユドヨノ大統領をはじめとして、GAR社やAPP社の約束が実行に移されてはじめて熱帯雨林の保護が実現されていきます。

その意味ではインドネシアの熱帯雨林保護はこれからが本当の勝負です。

グリーンピースはこれからも、インドネシアをはじめとする東南アジアの熱帯雨林と豊かな生物多様性をまもるために、活動していきます。

グリーンピースのインドネシア熱帯雨林保護の10年間をまとめた本ができました(英語)。ユドヨノ大統領が上の写真で手にしているものです。ぜひご覧ください。

このような成果が出せるのは、企業や政府からの支援をうけず、個人のみなさまからの支援で活動を続けているグリーンピースの特徴です。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/45517/