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中国、「人類汚染図」を制作、全国規模で重金属土壌汚染調査(新華経済)

2013-06-14 16:11:40

重金属汚染が蔓延している中国各地
重金属汚染が蔓延している中国各地
重金属汚染が蔓延している中国各地


【新華網】 中国国土資源部と中国地質調査局によると、重金属汚染の現状を全面的に調査するために、重金属による土壌汚染に関する「人類汚染図」を制作しているという。

報道によれば、中国は81の化学指標(78種類の化学元素を含む)をカバーする地球化学基準網を構築しているという。120万のグリッド(格子)で構成され、グリッドごとにサンプル採取拠点を設置し、サンプルとして深層土壌1カ所、表層土壌1カ所を採取する。深層土壌は地表から1メートルまでのものであり、ほとんど汚染されていない自然界の現状を示すものだ。表層土壌は地表から25cmまでの土壌で、自然土壌の現状と人類活動による汚染が重なったものだ。表層土壌と深層土壌の重金属含有量の差を出し、重金属元素による「人類汚染図」を作成する。

全国の大規模な土壌状況の調査プロジェクトの結果、土壌汚染が局地的に深刻化していることがわかっている。例えば、長江中下流地域でカドミウム、水銀、鉛、ヒ素など、都市や周辺地域は水銀や鉛、一部の都市は放射性物質、湖は有害金属が蓄積しており、また、土壌の酸性化も深刻だ。

カドミウム、水銀などの重金属汚染は、人類の活動による汚染と密接な関係にあることが証明されている。特に、土壌の重金属汚染は、人口密集地や工業・鉱業地区と関連付けられる。1994~1995年に比べ、重金属汚染土壌の分布面積は明らかに拡大し、人口が密集する東部に広がっている。

中国地質科学院地球物理地球化学勘査研究所などの機関は1994年から、全国土壌に含まれる51の化学元素に対する調査を手掛けた。1999年から、中国東部農業区の54の化学元素に対して調査を拡大し、2008年に全国をカバーする地球化学基準網の構築を開始、78の元素を含む81の化学指標に対する測定を展開した。関連データによると、一部の河川の流域や工業・鉱業・農業区で重金属など汚染物の含有量が急増しているという。

地質学家は「土壌が一旦汚染されると、自浄能力による復元には1000年が必要だ。人類の健康を守るため、汚染行為への取締りと処罰を強化する必要がある。汚染された土地については、汚染源を解明した上で、原因を断つ必要がある。重金属のほか、有機汚染物も大量に含まれている。国土、地質、環境、水利などの部門は協力して、土壌内の有毒物や汚染物を浄化しなければならない」と指摘した。

(翻訳 王秋/編集翻訳 小菅友香子)

 

http://www.xinhua.jp/industry/environment/349340/