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「死者が中国人でほっとした」―韓国人キャスター発言に非難集中 (WSJ)

2013-07-09 15:33:15

韓国のニュース番組「チャンネルA」
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韓国のニュース番組「チャンネルA」 .
韓国のニュース番組「チャンネルA」
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米サンフランシスコ国際空港でのアシアナ航空の旅客機着陸失敗事故で死者が2人出たが、死んだのが韓国人ではなく中国人だったと知った韓国のテレビ局キャスターが安堵した発言をしたことに非難が集中している。

 韓国ケーブルテレビ局「チャンネルA」のニュース番組で、事故を中継していた韓国人キャスターのYoon Kyung-min氏は7日、「たった今最新情報が入りました。2人の死者は中国人とのことです。少なくともわれわれには、ほっとする情報です」と伝えた。

 オンライン上ではYoon氏の発言に抗議する反応がすぐに出た。

 韓国のツイッター利用者Leesk0104は「どうしてあんな表現を使うのだろう? 極めて嘆かわしい」と述べた。

 別のツイッター利用者Jwahnは、「無知で非人間的な考え方」を非難し、キャスターを首にすべきだと息巻いた。

 同利用者は「こうした発言を中国人がしたら、(韓国のネットユーザーは)恐らく中国にネット戦争を仕掛けていただろう」と書いた。

チャンネルAはその後、声明を発表し、Yoon氏の発言について釈明を試みた。声明は「この発言は、事故で韓国人が1人も死ななかったという事実を強調したものであり、われわれはそれに安堵できるという意味だ。生中継番組をスムーズに運営しなかったことをお詫びする」と述べている。

 Yoon氏に接触を試みたが、成功しなかった。

 同氏の発言は中国のメディアにも取り上げられ、さらに怒りの声が上がっている。

 中国版ツイッター「新浪微博」では、多くのユーザーが「彼は人間なのか?」と疑問の声が上がっている。彼らはこのキャスターについて「脳味噌が腐っている」「非倫理的」「非人間的」といった書き込みをしている。キャスターに謝罪と辞任を要求しているユーザーも少なくない。

 中国紙「環球時報」は、共産党機関紙「人民日報」が所有するタブロイド版で、時に扇動的な報道をするが、「このキャスターは冷酷で感情がない」と批判した。しかし「環球時報」は、韓国のツイッターの投稿を引用し、キャスターを非難する韓国人も少なくないと指摘している。

 2週間前には韓国の朴槿恵大統領が中国を訪問し、中国語でスピーチした同大統領に対する称賛の声が中国人の間で上がっていたばかりだった。

 大半の韓国メディアやソーシャル・ネットワークでは8日、事故機からの脱出の際の英雄的な努力が大きく取り上げられ、乗務員や乗客がいかに迅速に反応し、犠牲者を最小限にとどめた点が注目されていた。

 韓国最大の日刊紙「朝鮮日報」は「10分間の奇跡」という見出しを掲げた。韓国のツイッター利用者は「アシアナ航空の乗務員たちのプロ意識、勇気、そして犠牲にわたしは心温まる思いで、涙が出た」と書いた。

 事故でパイロットが操縦ミスを犯したのではないかとの疑問を大々的に取り上げた主要紙は一紙のみで、1面に「墜落機のパイロット、B777型機の飛行経験はわずか43時間」との見出しを掲げている。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324368204578594472848596966.html?mod=djem_Japandaily_t