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大林組 洗浄機ベンチャーと協力し、除染に使った水を循環させる再利用システム開発(ケンプラッツ)

2013-09-04 18:10:50

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fukushimaoobayashinews20130829_02大林組はバイノス(千葉県柏市)、ニルフィスクアドバンス(横浜市)と共同で、舗装面の除染で生じる汚染水を捨てずに除染に再利用するシステム「バイノスRDII工法」を開発した。除染作業で給排水に手間と時間を掛けずに済むだけでなく、除染車の外で汚染水を浄化して捨てる作業が不要になるメリットも見込める。

 高圧水を用いて道路など舗装面を除染する作業では、作業後に汚染水を回収し、放射性物質を抽出して浄化したうえで、現場の外に廃棄する。大林組は福島県郡山市から受注した除染事業で、ニルフィスクアドバンス製の車両によって高圧水洗浄を実施してきた。しかし、給排水に除染と同じくらいの時間が掛かり、効率向上の必要性に迫られていた。

 「バイノスRDII工法」では既存の除染車に回収水の処理設備を搭載する。そして、除染作業と同時進行で汚染水を回収、浄化して、除染車の外へ排出せずに再利用できるようにした。給排水時に除染を中断する必要がなくなり、従来の高圧水洗浄を採用する場合に比べて10倍の速さで作業できるという。

 除染で生じる汚染水は、浄化したうえで廃棄しても未処理のまま垂れ流したと住民などに誤解されることもあった。汚染水を捨てずに再利用すれば、そうした誤解を受けずに済む。

 

回収水の処理設備に入っているのは微細藻類の「バイノス」を加工した放射性セシウムの吸着剤で、1kgあれば、放射性セシウム濃度が1リットル当たり約2万ベクレルの汚染水100m3を浄化できるという。大林組によると、浄化後の水の放射性セシウム濃度は同2ベクレル未満。厚生労働省が定めた飲料水の基準値である同10ベクレルを下回っている。

 大林組はバイノスRDII工法を9月から郡山市の除染現場へ本格的に投入するほか、清水建設・大林組・熊谷組JVの一員として環境省から受注した福島県大熊町の除染でも使用する予定だ。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20130826/629429/?bpnet