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国連環境計画、ナイジェリアの石油汚染でシェルを批判(Reuters)

2011-08-05 22:13:05

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【アブジャ4日ロイター時事】国連環境計画(UNEP)は4日、ナイジェリアのニジェール川デルタ地帯を50年にわたって汚染した責任の一端があるとして、英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルとナイジェリア政府を批判する報告を発表した。

UNEPは、この地帯を浄化するには世界最大規模の石油洗浄計画が必要で、計画にかかる当初費用は10億ドル(約790億円)、期間は最大30年に及ぶだろうと指摘した。

 

UNEPは同地帯のうち、石油資源が豊富で、入り組んだ小川、沼、それに水路のある地域であるオゴニランドの受けたダメージについて分析した。ニジェール・デルタ地域は石油・天然ガス業界が持つアフリカ最大の拠点だ。

 

シェルとナイジェリアの国有石油会社がオゴニランドの石油関連インフラの大部分を所有している。ただしシェルは1993年に操業中止に追い込まれた。汚染により漁業環境が破壊されたと地域住民が訴えたからだ。

 

その後シェルは、作家で環境活動家のケン・サロウィワ氏が率いた運動を受けて、オゴニランドでの採掘を中止した。ナイジェリアの軍事政権は後にサロウィワ氏を絞首刑にし、国際社会から怒りを買った。

 

UNEP報告は「これまでのオゴニランドの油田インフラの管理と維持は不適切で、それが今も続いている。シェル・ペトロリアム・デベロップメント・カンパニー(SPDC)自身の対策は実施されていないものがあり、公衆衛生と安全上の問題が生じている」と述べた。同報告は、SPDCが環境の完全回復措置を行ったとする15カ所を調査した結果、10カ所にSPDCと政府の基準を超える汚染が見つかったと指摘した。

 

シェルは3日、オゴニランド地域住民が英国の裁判所で石油流出の補償請求訴訟を起こす権利があることを認めた。また同社は、ニジェール・デルタ地帯の原油流出の大半は窃盗や破壊行為によるものだとしながらも、理由が何であれ洗浄を行っていると述べている。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011080500337