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シェールガス用化学品に透明性を=米政府諮問委(Reuters)

2011-08-13 19:37:20

自宅の井戸水用フィルターを見せる掘削地近くの住民(2009年9月17日、米ワイオミング州)
自宅の井戸水用フィルターを見せる掘削地近くの住民(2009年9月17日、米ワイオミング州)


【ワシントン11日ロイター時事】頁岩層ガス(シェールガス)採掘の規制問題を協議している米エネルギー省の天然ガス諮問小委員会は11日、採掘に際して使用する化学品についてもっと透明性を持たせるとともに、排水の扱いにもっと注意を払うべきだとする中間報告を発表した。ただ、化学品が飲料水に与えるリスクは「極めて小さい」としている。


小委員会は11月に最終報告をまとめることになっており、オバマ政権はこの報告を枠組みとして規制を強化する一方で、安全なシェールガス生産を促進していく方針だ。

 

頁岩層にある石油と天然ガスは、フラッキング(ハイドローリック・フラクチャリング)と呼ばれる方法で採掘される。これは水と砂、それに化学品を混ぜて高圧で吹きかけるもので、この大量の排水が地下水などを汚染しているとの批判が出ている。

 

中間報告は、大量の排水の管理を見直し、規則を改正して河川や地下水の保護を万全にする必要があるとし、連邦政府と州政府はシェールガス生産の前の水質を検査するシステムを設けるべきだとしている。また、採掘企業に対しては、フラッキングの影響に関するもっと多くの情報を公開することを求めている。また、メタン、その他の大気への排出についても測定を始めるよう求めた。

 

採掘に当たっている企業は、環境汚染の批判が強いことから、規制が厳しくなることは承知しているものの、エクソンモービルやチェサピーク、シェブロン、それにデボン・エナジーといった大手企業は、新しい規制によって生産が採算に合わなくならないように期待している。

 

オバマ大統領はもともと、安価で比較的クリーンだとして天然ガスの生産を擁護しており、環境面での不安を取り除くために諮問委員会を設置した。

 

同委員会の委員長を務めるドイッチ元中央情報局(CIA)長官は「業界にとって可能で、既にその過程にあると思われることは、最善の作業と測定、それに行っていることの結果の開示を一貫して進めることだ」と述べた。

 

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011081200244