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水に浮く電気自動車が登場! 国内ベンチャーFOMM、洪水が多いアジアを視野に(環境ビジネス)

2014-02-24 17:22:25

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FOMM20140221_c1大同工業(石川県加賀市)と日本特殊陶業(愛知県名古屋市)は、ベンチャー企業のFOMM(神奈川県川崎市)とともに、世界最小クラスで4人乗りを実現した超小型電気自動車(EV)「FOMM コンセプトone(フォムコンセプトワン)」を共同開発したと発表した。

 

カセット式バッテリーを採用し、最大航続距離は約100km(市街地走行モード)。アクセルペダルをなくし、足ではなく全て手を使って操作できる。家庭での非常用電源としても使用可能。また、万が一の水害に備えるため、水に浮き、水面でも移動可能な機能を備える新感覚の超小型EVだ。

 

今後、東南アジアを中心とした車両販売を見据え、2014年3月にタイで開催されるバンコク国際モーターショー出展等での市場評価を仰ぎながら、市場ニーズとの機能やコストの適正化を図り、2015 年10月の販売開始を目指していく予定。

 

「FOMM コンセプトone」は高効率インホイールモータを搭載。全長2495mm、全幅1295mm、全高1550mm、車両重量460kg。ガソリン換算燃費は1L当たり96.7km。また、万が一の水害に備えるため水浮上機能を装備。水陸両用車ではないため移動能力には制限があるが、ジェット水流発生機能による水面移動も可能。但し、水害被害後の保守整備は必要となる。現在、国際特許を3件出願している。

 

FOMMは、超小型EVの開発を目指すベンチャー企業として、2013年2月に設立された。代表の鶴巻日出夫氏は、トヨタ車体で1人乗りEV新型「コムス」の開発や、SIM-DRIVEで超小型EVの東南アジア展開を企画してきた経歴を持つ。SIM-DRIVEは慶応大学発のベンチャー企業で、産学連携によりタイヤホイールの中にモーターを内蔵させる「インホイールモータ」の技術を用いたEV開発に取り組んでいる。

 

大同工業は、バイク用や自動車エンジン用チェーンなど、二輪車及び四輪車部品、産業機械部品等の製造・販売を手がける。同社はFOMMに出資参画し、今回の開発事業では、車両構造設計および電装開発を担当する技術者を派遣し、また車両骨格の開発納入を行うなど開発全般に携わっている。

 

同社は、本事業を加速していくことにより、3~6年後の中期的将来に向けた次世代自動車市場での新規事業基盤の確立を目指す考えだ。

 

日本特殊陶業はスパークプラグ、酸素センサ、ICパッケージ、機械工具、産業用セラミックといった幅広い製品群と技術を有している。中でも内燃機関用部品であるスパークプラグや酸素センサは同社の柱となっている。しかし、今後はEVや燃料電池車といった内燃機関を使用しない次世代自動車が、徐々に普及・拡大していくことが予想されている。

 

そこで、同社の技術を応用した新規事業創出に向け、次世代自動車にも積極的に取り組んでいくためにFOMMとの共同開発に取り組んでいる。

 

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