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被災地における土壌環境モニタリング調査結果の公表(環境省) 水銀、鉛等、3県の20地点で土壌溶出基準超過

2011-08-22 13:14:43

環境省では、東日本大震災に伴う津波や火災の被災地(岩手県、宮城県及び福島県)において、県・市から要望を受けた公有地を中心に、土壌汚染対策法上の特定有害物質及びダイオキシン類に係る土壌環境モニタリング調査を78地点で実施しました。
 この度、測定結果について有識者から意見を伺い、結果を取りまとめましたので、公表いたします(試料採取日:6月16日~7月6日、検討会開催日:8月8日)。

1.結果概要



(1)岩手県


 全16地点中、水銀について1地点(測定値0.0006mg/L(基準値0.0005mg/L))、鉛について3地点(測定値0.034mg/L、0.027mg/L、0.018mg/L(基準値0.01mg/L))、砒素について2地点(測定値0.027mg/L、0.019mg/L(基準値0.01mg/L))、ふっ素について1地点(測定値0.87mg/L(基準値0.8mg/L))、計5地点で土壌溶出量基準値を上回る値が確認されました(複数の項目で基準値を上回った地点あり)。

 なお、全地点において、土壌含有量基準値を上回る値は確認されませんでした。

(2)宮城県


 全49地点中、鉛について4地点(測定値0.036mg/L、0.014mg/L、0.013mg/L、0.012mg/L(基準値0.01mg/L))、砒素について6地点(測定値0.021mg/L、0.018mg/L、0.017mg/L、0.015mg/L、0.013mg/L、0.012mg/L(基準値0.01mg/L))、計8地点で土壌溶出量基準値を上回る値が確認されました(複数の項目で基準値を上回った地点あり)。

 なお、全地点において、土壌含有量基準値を上回る値は確認されませんでした。

(3)福島県


 全13地点中、水銀について2地点(測定値0.0013mg/L、0.0011mg/L(基準値0.0005mg/L))、鉛について5地点(測定値0.028mg/L、0.023mg/L、0.017mg/L、0.014mg/L、0.013mg/L(基準値0.01mg/L))、砒素について3地点(測定値0.013mg/L、0.012mg/L、0.011mg/L(基準値0.01mg/L))、ふっ素について1地点(0.83mg/L(基準値0.8mg/L))、計7地点で土壌溶出量基準値を上回る値が確認されました(複数の項目で基準値を上回った地点あり)。

 なお、全地点において、土壌含有量基準値を上回る値は確認されませんでした。


2.今後の対応


 岩手県、宮城県、福島県等の関係機関に測定結果を提供するとともに、土壌溶出量基準を上回った地点については、近隣における井戸の使用状況を調査し、現在飲用に利用されていないことを確認しました。

 今後、追加調査を実施する等、必要に応じて関係機関と協力し、対応していく予定です。

※土壌溶出量基準と土壌含有量基準について
土壌汚染による健康影響は、土壌中の特定有害物質が人の体内に取り込まれることにより生じます。主な特定有害物質の摂取経路としては、地下水が汚染されその地下水を飲用する地下水経由の摂取と手についた汚染土壌や砂ぼこりが口から入るような直接摂取があります。
地下水経由の摂取による健康リスクについては、以下の考え方により土壌溶出量基準が設定されています。
[1]
摂取期間
 一生涯(70年間)汚染土壌のある土地に居住した場合を想定しています。
[2]
1日当たりの地下水摂取量
 1日2Lの地下水を飲用することを想定し、地下水の環境基準や水道水の水質基準と同様の考え方により基準を設定しています。
また、直接摂取することによる健康リスクについては、以下の考え方により土壌含有量基準が設定されています。
[1]摂取期間
 一生涯(70年間)汚染土壌のある土地に居住した場合を想定しています。ただし、急性毒性の観点からも問題のない濃度レベルとなるように設定しています。
[2]1日当たりの土壌接食量
 子ども(6歳以下)200mg、大人100mgと想定しています。
 

添付資料

 

連絡先

環境省水・大気環境局土壌環境課
直通:03-5521-8338
代表:03-3581-3351
課長:柴垣 泰介(内線6650)
課長補佐:紺野 道昭(内線6649)
担当:助川 洋平(内線6659)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14130