HOME9.中国&アジア |中国からの黄砂飛来日数、過去10年間で 熊本市が全国ワースト1位(熊本日日新聞) くまもんも 目をショボショボ |

中国からの黄砂飛来日数、過去10年間で 熊本市が全国ワースト1位(熊本日日新聞) くまもんも 目をショボショボ

2014-04-03 13:43:05

kousa20140402005_DAT_20140402114011001
kousa20140402005_DAT_20140402114011001この10年間に日本に飛来した黄砂観測日の総計で熊本市が全国ワースト1位だった。環境省が3月末公表した「黄砂実態解明調査報告書」(座長・岩坂泰信滋賀県立大理事)で分かった。黄砂飛来は那覇から網走まで至り、上位を九州と中国地方が占めている。

報告書は2003~12年までの黄砂飛来データを集め、科学的な実態解明に資するのが目的。10年間の数値をまとめたのは初めて。

報告書によると、気象台発表の「黄砂日」の総計で熊本市は115日超。2位は100日超の大分、3位は90日超の松山(愛媛)。これに(4)松江(島根)(5)鳥取(6)広島(7)福岡(8)佐賀(9)鹿児島(10)下関の各市が続いている。

熊本で高くなる理由は分かっていない。国内の観測地点の過半数31地点を超える大規模黄砂の流入経路は、中国内陸部から工業地帯の沿岸部経由だった。

黄砂は呼吸系疾患など健康に加え、植物や交通機関にも影響する。ゴビ砂漠などで発生。中国の重化学工業地帯を通る過程でばい煙や化学物質など大気汚染物質が付着する。

黄砂と同様、大気汚染物質の粒子などで空が乳白色になる煙霧[えんむ]の観測日総計では、前橋(群馬)が1位で東京、熊谷(埼玉)、大阪の順。九州では佐賀8位、福岡11位、熊本12位。煙霧は九州より関東や関西で高くなっていた。流入経路は中国沿岸部と韓国経由がほとんどだった。

一方、発がん性も懸念されるPM2・5(微小粒子状物質)の濃度は、黄砂と煙霧の濃度が高くなると上昇することも判明した。

黄砂、煙霧、PM2・5の因果関係把握のため、報告書は「PM2・5の常時観測局を増やし、成分分析データを蓄積することが必要」と指摘。環境省大気環境課では「調査結果を日中韓の黄砂対策作業部会に報告したい」と言っている。(編集委員 井芹道一)

http://kumanichi.com/news/local/main/20140402005.xhtml