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女性蔑視やじ 国会でも自民党議員 「産まないと駄目」 東京16区選出の大西英男氏 (東京) 自民は〝女性蔑視党”か 

2014-07-05 07:09:44

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jyosei2014070599070151衆院総務委員会で日本維新の会の上西(うえにし)小百合議員(31)=比例近畿=が「早く結婚して子どもを産まないと駄目だぞ」とやじを受けた問題で、自民党の大西英男議員(67)=衆院東京16区=が四日夕、自らのホームページ(HP)で、やじを飛ばしたのは自分だと明かした。自民党議員による女性を蔑視するやじは東京都議会で発覚したばかり。 

大西氏は四日午前、上西氏に電話で問題のやじは自分だと伝えて「申し訳なかった」と謝った。上西氏が同日午後、大阪市内で報道陣に語った。大西氏は三日、共同通信の取材に「記憶にない」と答えていた。

大西氏はHPで「当時の映像等を精査した結果、私の発言があったことを確認した」と説明。上西氏とは初当選同士のため「日ごろから親しく意見交換している。つい、親しみから不用意な発言をし、ご迷惑をかけたことを反省している」と謝罪した。だが、四日は記者会見せず、記者団の前に姿を見せなかった。

大西氏は東京都江戸川区議を四期、都議を四期それぞれ務め、区議会議長や自民党都議会幹事長などを歴任した。二〇一二年の衆院選で初当選した。問題のやじは四月十七日の衆院総務委であった。

自民党の石破茂幹事長は大西氏に厳重注意した。週明けにも、党所属の国会・地方議員に、意識改革を求める通達を出す方針。

◆「女性登用」問われる姿勢

国政の場でも発覚した女性蔑視やじ発言は、6月の東京都議会のケースと、問題発言が出た経緯や発言者のその後の対応が酷似している。安倍内閣が女性の登用や一層の社会進出を促す政策に積極的な姿勢を見せる中で、足もとの政権与党に時代遅れの感覚が根強く残っていることを浮き彫りにした。 (中根政人)

衆院総務委員会と都議会のやじは、いずれも女性議員が少子化問題を質問中に自民党の男性議員が言い放った。ともに結婚や出産を促す内容。当事者が当初は否定し、その後に認めて謝罪したのも同じだ。

都議会の問題が起きたとき、自民党の石破茂幹事長は「気の緩みではないかと指摘される状況があるのだろう」とたしなめていたが、国会でも同様の問題が発覚し、一部の逸脱行為でないことを印象づけた。多様化する女性の生き方に無理解な意識が自民党内にある裏付けといえる。

やじ問題は、安倍晋三首相が新成長戦略に重点分野として盛り込んだ「女性の活躍推進」にも逆行する。首相は国や自治体、企業に女性登用の目標設定を求め、女性管理職などの比率を二〇二〇年までに30%にする目標を掲げ、中央省庁の人事でも幹部に女性を積極登用している。

しかし、肝心の国会に占める女性議員の割合は衆院10%未満、参院15%程度にとどまっている。

やじを謝罪した大西英男衆院議員は、六月に都議会問題があった際に自らのホームページで「問題の背景には少子化・晩婚化の問題がある」と政策推進の必要性を唱えた。その二カ月前の自身の発言を省みることはしていない。謝罪の方法も女性議員への電話とホームページからの発信だけで、自らの責任も明らかにしていない。記者団の取材にも応じず、説明責任を果たしたとは到底言えない。

やじ問題への対処をめぐって、鈴木章浩都議は自民党会派を離脱した。自民党執行部は、大西氏への厳重注意と全所属議員への通達だけで問題を収束させようとするのか。党の姿勢も問われる。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014070590070151.html