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メキシコ湾原油流出事故、17か月の調査報告発表(AFP)

2011-09-16 00:00:23

【9月15日 AFP】2010年4月に米メキシコ湾(Gulf of Mexico)沖で起きた英エネルギー大手BPの石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)」の原油流出事故について14日、米沿岸警備隊(US Coast Guard)と、掘削施設の監督官庁である米海洋エネルギー管理・規制・執行局(BOEMRE)による17か月にわたる調査をまとめた報告書が発表された。

500ページにわたる報告書は大規模な原油流出について、ずさんなセメント作業や、BPや下請け会社の管理の甘さ、危険な手抜き工事などに非があるとし、「(原油が)噴出した主な原因はセメントによる封じ込めが不十分だったため」だと結論付けた。

今回の報告書の結論は、同事故に関するほかの調査結果とも大半が一致しているが、これまでに行われた調査の中でも最も詳細に踏み込んだ分析で、米司法省が行っている犯罪捜査やBPに科される罰金への影響も予想される。BOEMREなどでは、この結論に基づき、さらに7つの召喚状を新たに作成するとしている。
一方で、BPが流出事故によってかかった巨額のコストを回収しようとし、セメント作業を担当した油田サービス大手ハリバートン(Halliburton)、掘削施設を所有するスイスの油田掘削大手トランスオーシャン(Transocean)と、海底油田の暴噴防止装置を製造した米キャメロン・インターナショナル(Cameron International)の3社を相手取り起こしている訴訟で、報告書の見解がBP側に有利な材料ともなりうる。
また11人の死者が出たことについては、「リスク管理の甘さ、直前になっての計画変更、重要な指標の監視・対応の失敗、油井の圧力に対する不適切な対応、緊急時の伝達訓練の不足」などを列挙した。
さらに報告書はハリバートンとトランスオーシャンの過失についても複数挙げているが、運営の「最終責任」はBPにあり、「ディープウォーター・ホライゾンの操業に関する完全な監視と説明責任がBPに欠如していた」ことが要因となったと指摘した。
BPディープウォーター・ホライズン原油流出事故は2010年4月20日に、米ルイジアナ(Louisiana)州沖80キロのメキシコ湾上で発生。作業員11人が死亡し、87日後に流出源が封じられるまでに2億600万ガロンの原油が流出した。

 

 

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2827805/7775526