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プラスチック放棄で海を汚している最大の国は 中国とインドネシア。両国あわせて世界汚染の3分の2以上(WSJ)

2015-02-13 13:12:25

プラスチック類を最も多く海に放棄している国は中国とインドネシアである公算が大きい
プラスチック類を最も多く海に放棄している国は中国とインドネシアである公算が大きい
プラスチック類を最も多く海に放棄している国は中国とインドネシアである公算が大きい


【サンノゼ(米カリフォルニア州)】プラスチック類を最も多く海に放棄している国は中国とインドネシアである公算が大きい。プラスチックのボトル、袋、その他製品の海への廃棄量は両国合わせて全体の3分の1以上になる。環境科学者のチームが12日に発表した調査報告で明らかになった。

海洋生物学者や海洋環境保護活動家らは、海に投棄されたプラスチックが海辺を汚染し、北極から南太平洋に至る海流を妨げていると警告している。しかし、その具体的な量や発生源は、消費者の傾向や汚染管理の方法が世界中で非常にばらつきがあることから、今までつかみきれていなかった。

米ジョージア大学の環境エンジニア、ジェナ・ジャムベック博士を中心とする米、オーストラリアの研究者チームの調査によると、世界中の沿岸人口をカバーする消費者データとごみ管理情報に基づいて、192各国それぞれのごみの海洋投棄のシェアを算出した。

それによると、米国は不適切なプラスチック廃棄物の1%弱の責任があり、世界ランクで20位だった。

研究者たちは12日、調査結果を科学誌サイエンスに掲載するとともに、サンノゼで開かれている米国科学推進協会(AAAS)年次会合で発表した。

ジャムベック博士らによると、沿岸から50キロメートル圏に住む人たちは2010年に合わせて2億7500万トンのプラスチックごみを廃棄し、このうち数は小さいが相当な量である480万―1270万トンのボトル、袋、ストロー、その他が海に捨てられた。このままでいくと、25年には海のごみは倍になり、その量は「沿岸1フィート当たりでプラスチックが詰まった袋10個」分に相当する可能性があるという。

中国の沿岸部に住む人たちは10年に、世界全体の約27.7%に当たる882万トンのプラスチックごみを不適切に捨て、このうち132万―353万トンが海に捨てられたという。中国の環境保護省はコメントを控えた。同国の国家海洋局からのコメントも得られていない。

北京の環境保護活動家Ma Jun氏は、中国政府はここ数年、都市部でのごみ収集を大幅に拡大していると述べた。また大型スーパーマーケットはポリ袋の利用を減らしたり、生物分解が可能な袋の利用を始めたりしている。しかし、Ma氏は、都市の急激な拡大にはこうした努力も追い付いていないと話している。同氏は、政府は「家庭のごみの処理で大きな努力をしているが、急速な都市化の中でごみ処理能力はまだ不十分だ」と語った。同氏は公衆環境研究センターのメンバー。

世界第4位の人口の国インドネシアでは、沿岸部の人たちは10年に322万トンのごみを不適切に廃棄、これは全世界の約10%に当たる。このごみのうち48万―129万トンが海のごみとなったと見られる。

同国政府当局者は、08年のごみ管理法の詳細を詰めていると述べた。同国環境省の企画・国際協力局のトップ、アデ・パルグナ・ルテカ氏は、国内のごみに関しては「世論は盛り上がっている」とし、「インドネシアはこのことに気を配らなければならない」と述べた。別の当局者は「人口増がごみ増加を意味するとしても、ごみ管理は改善されている」と話した。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB12091905799479333513004580458534132677018?mod=djem_Japandaily_t