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「江戸前」の魚介類ピンチ、東京湾にゴミから出た大量の微細プラスチックが浮遊。食物連鎖で生態系・人間に悪影響も(各紙)

2015-02-20 01:18:39

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microplustic2キャプチャ各紙の報道によると、江戸川や多摩川に運ばれて東京湾に流れ込んだペットボトルやレジ袋のゴミが、紫外線や波によって直径5mm以下に砕かれた「マイクロプラスチック」が大量に浮遊していることがわかった。

東京農工大学の高田秀重教授(環境化学)の研究によって明らかになった。同教授は、食物連鎖を通してこの微細なプラスチックが生態系全体に悪影響を及ぼす懸念があると警告している。高田教授は2013年6月、東京湾の2か所を調査、海面に浮く落ち葉やプランクトンの間から、直径約0.3~5mmの大きさの微細なプラスチックを大量に検出した。海水1㎥当たり24個の密度だったという。

 

プラスチックの元は廃棄されたペットボトルやレジ袋などとみられ、付着物の中には発がん性や生殖機能の低下を起こすとされる「ポリ塩化ビフェニール」や、甲状腺機能に影響を与える「テトラブロモジフェニールエーテル」などを検出したという。いずれも毒性があり分解しにくい化学物質で、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約で使用が禁止されている。同条約は日本も締結している。microplusticキャプチャ

 

微細プラスチックを小型魚類が餌と思って食べると、それらの小型魚類を捕食する中・大型魚類に有害化学物質が移動・蓄積する可能性がある。その結果、人間が食する魚介類に汚染物質の滞留が生じるリスクもある。

 

環境省は、日本近海および日本海や東シナ海、太平洋などでマイクロプラスチックがどの程度、分布しているかを調べており、2015年度にも調査結果の公表を予定している。

 

http://www.tuat.ac.jp/~gaia/item/GESAMP.pdf