HOME9.中国&アジア |東北・蔵王の樹氷汚染、ロシアからも有害物質 山形大研が調査結果を発表(山形新聞) |

東北・蔵王の樹氷汚染、ロシアからも有害物質 山形大研が調査結果を発表(山形新聞)

2015-02-25 20:08:43

蔵王の樹氷も汚染で汚れている
蔵王の樹氷も汚染で汚れている
蔵王の樹氷も汚染で汚れている


蔵王周辺の自然環境を調べ、防災に役立てるため山形大が設置した「蔵王樹氷火山総合研究所」の柳沢文孝所長(理学部教授、地球化学)は24日、蔵王の樹氷汚染に関し、原因となる有害物質が中国だけでなくロシアからも飛来しているとの調査結果を発表した。5月の雪氷学会で説明する予定。

柳沢所長は存在域が縮小している樹氷について、20年以上前から大気汚染や地球温暖化との関連性を探っている。これまで、健康被害が指摘される微小粒子状物質「PM2.5」が、本県を含む東日本には北京方面から飛来していることを明らかにしている。

 

今回は大気汚染物質の一つの硫酸イオンについて調べ、このうち樹氷に含まれる硫黄の割合を分析。その数値が、ロシア東部から中国東北部で確認される値と同様となった。

人工衛星画像も活用してロシアからの飛来を特定した。昨年7月下旬、シベリアで森林火災が発生。その際の煙に含まれるPM2.5は、中国大陸を経由し、4日ほどで日本に到達していたことも分かった。

柳沢所長は、これらを24日の定例記者会見で説明。「今年の樹氷は昨年と比較するとPM2.5の影響が小さいようだが、大量の雪の中に汚染物質が含まれ、これが雪解けを迎えると地表に出ることになる。その発生源を特定できたことは意味がある」などと述べた。

 

http://www.yamagata-np.jp/news/201502/25/kj_2015022500521.php